沢山の遍路石を見ながら 区切り遍路38日目④からの続きです。
初めて挑んだ千本峠遍路道から国道33号線に合流しました。
ここは松山に繋がる国道で、打戻りが一般的となった今の遍路道でもあります。
右側にはさっき通ってきた大除城が見えます。
本当に近くで見るとビックリするような山の上にあるお城。
そして城好きな人ならきっと気づく、手前の深い川の存在意義。
自然の地形を巧みに利用したこのお城も豊臣秀吉の力には敵わず、その命令を受けたスーパースター小早川隆景により開城させられました。
遍路中じゃなかったら散策して見たかったけど、今度の楽しみにとっておこう(四国に来る=遍路ですが…)
久万高原町から松山までの国道33号線は本当に退屈で地味な登りの道となります。
とても嫌いな道の1つですが、ここを歩かなくては先には進めません。
意外だったのは、このルートにはあちこち遍路石が現存していたことでした。
この遍路石もまた、不思議な方向を示すもので、この右側にも遍路道があったようです。
恐らく、現在の国道に飲み込まれた道でしょうが、今度探してみましょう。
ちなみに45番札所から46番札所へ向かう道は3つあると認識しており、1つは現在メインで使われている久万高原町役場まで打ち戻るルート。
2つ目は、今回歩いた本来の遍路道である千本峠ルート。
3つ目は皿ヶ嶺の山腹を抜ける六部堂越えと言われる道だが、歩いたことが無いので現存しているかすら分からない。
途中、お接待所を目にしたがコロナにより休止されていた。
たまたま外に出ていた主と目が合い、ここで長く話し込むこととなった。
その理由となったのが我が家が連れている犬が目に入ったことで、お互いに犬好きであったこと。
とにかく笑顔が素敵な老夫婦は我が家の犬をとても可愛がり、おやつをくれたり、俺達にも大好物な寛平(みかん)と伊予柑を一つずつくれた。
なんと大先達(だったかな?)のその方が数日前に千本峠の手入れをしてくれたようで、どうりで歩きやすかった訳です。
「そこを歩いて来た」と伝えるととても喜んで貰えました。
やはり千本峠は時期によっては草が生い茂り非常に歩きにくいそうですので注意が必要ですね。
お接待所を後にして淡々と歩きます。
交通量がそれなりに多く、遮るもののない道。
途中で片側交互通行をしていたり、歩道が無くてはこの荷物と犬を連れ、急ぎ足で道路を抜け切らなくてはなりませんでした。
気温は6度、ちょうど歩きやすいくらいです。
汗を出来る限り掻かないことがとても重要です。
昼休憩の目標としていた明神パーキングに辿り着きました。
この手前に無料高速道路が部分的に開通しているので、交通量が減り歩きやすくなります。
大きな東屋とトイレ。
最近の旅では衛星写真を活用して、自動販売機や、水道などを探したり、野宿できるポイントを探してます。
ここもまた、俺の一番好きな遍路動画の作成者が野宿したポイント。
「ここであの人が寝泊まりしたのかぁ…」と切なく?不思議な感覚になります。
水道が無いと思っていたら、東屋の裏にあって「ラッキー」と近寄るとやっぱり水が出ません。
この時期は凍結防止で元栓を占めているのでしょう。
と、思っているとほんの少しの水の流れがあります。
「もしかして?」と栓を開いたままにしていると、暫くして勢いよく水が出てきました。
凍っていた水道管が解け始めたようです。
水を汲み、お湯を沸かし、準備していたカップラーメンを食べることが出来ました。
お湯を沸かしている間に食器を洗わせて貰い、これからの水も補給を済ませ、もちろんソーラー発電で充電も溜めます。
予定より遅く昼食を済ませたのでゆっくりもしてられないのですが、昼休憩を済ませ再び歩き出します。
今日は46番札所付近で野宿をする予定ですが、俺はまだ風呂に入れる48番札所付近の夢を捨てておりません。
と言うか、一人なら何の問題も無く辿り着けます。
もっと言えば、クウと2人なら、いや、クウとカイの3人なら余裕で辿り着けるでしょう。
人に優しくする必要は普段のその人の振る舞い、もしくは、優しく出来る期間を優先していいでしょう。
さぁ、張り切って風呂を目指しますよ。
大変なのはハイレベルに合わせることではなく、低レベルに合わせることですからね!
明神パーキングを出発して道脇に遍路石。
是より浄るり寺へ二里、あと8kmありますね。
ここの少し手前に久万スキーランド入口と皿ヶ嶺登山口があり、そこが六部越えの遍路道との合流地点だったようです。
その先に三坂峠へ折れる道。
やっとアスファルトから離れられると喜ぶ反面、この峠の長い下り、そして途中からのコンクリート下り坂を思い出すだけでゾッとします。
右へんろみち 左松山道
左と言うと来た道である久万高原方面を指しているように思いますが、車道を指しているのかな?
分りにくい。
遍路道は民家の敷地内を歩くような形で、三坂峠入口に到着。
1826年に建てられたと言われるお地蔵さんに見守られながら遍路道を下りますよ。
「この先車両通行出来ません」
看板を出さなくてもわかると思うのですが、本当に出来ませんよ!
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