深夜の大移動で28番札所を目指す 区切り遍路17日目①からの続きです。
有名な“超カーブ”な所で自転車に乗る2人の方に追い越しざまに挨拶されました。
自転車①「こんにちは~」
俺「あっ、こんにちは!」
その人は良く見ると俺がよく間違われる東南アジアらへんの方でした。
きっと農業実習生などで日本に来ているのでしょう。
そして、
自転車②「こんにちは~」
俺「こんにちは!」
こっちの方はハッキリとわかるほどの外国の方でした。
その後ろを走っていた自転車②が挨拶しながら俺の顔を見た瞬間!!
『えっ?』という様な感じで俺の顔を2度見する。
それに驚いた俺も2度見する!
俺(仲間やと思われたな…)
俺の後ろの人もきっと笑っていたでしょう。
本当に良くあることです。
超カーブの先の橋の下は野宿スポットの様です。
近くに店はなさそうだけど環境は良さそうですね。
しかし、堤防工事でしょうか、結構大規模な工事をしているようで橋の下には机が広げられ休憩所のようになってました。
細い農道をずっと歩き松本大師堂までやって来ました。
その手前での話、とても細い農道を歩いていたら、後ろから大きな車が走ってくる音がしました。
俺とビーニャは用水路上にかかる小さな橋に避難して車に道を譲ります。
すると追い越しがてら車の窓が開き、運転手のおじさんが俺達に何かを伝えようとします。
が…、そのおじさんは俺の顔を見たまま5秒ほど固まります。
そして、
おじさん「500メートルくらい進んだら松本大師堂がある。そこで休憩できる。そこが28番と29番のちょうど中間地点だから」
俺「そうなんですか!ありがとうございます!」
そしてまた俺の顔を暫く見たあと、
おじさん「あんた、体格もいいし、外人やと思った」
俺(外国人に間違われるの、本日3度目…)
確かに最近ストレスで一気に6kg増えたが、本日会話した3人中3人とも俺を外人と間違うなんて…。
後ろのアイツが笑います。
そして、数ヵ月前のことを話し出します。
俺がとある依存症のセミナーに参加したときのこと。
まぶたの上に目を書いたようなヤマンバメイクと言うか、アジャコングというか、そんな感じの20代から30代ほどの薬物依存症の女性がいました。
見た目はハワイのサモア系の様なその女性が何と、俺を見るなり幼馴染みの親友の様に話しかけてきました。
勿論初対面です。
しかも何故か英語で…。
その日、会うたび、会うたび、何故か俺にだけ親しそうに話しかけてくる。
あれも今思えば俺をそっちの国の人と間違えてたのでしょうか?
過去を振り返れば色々リンクしだしたここ最近、特に今日。
そんな世にも奇妙な昔話を、今日の3連発でビーニャが思い出して、話し出すまで俺はそれを忘れてました。
松本大師堂で休憩します。
時刻は15時頃ですが、この頃には今日の野宿地を大体絞りました。
因みにこの松本大師堂は堂内宿泊禁止ですが、我々は手前にある駐車場で野宿させて貰ったことがあります。
そして、松本大師堂から2kmと少し歩いた先にある、ながおか温泉まで来ました。
今日は温泉に入れます!
しかもこの温泉には遍路価格があり、フロントの方も俺を見るなり「遍路さん価格があります!」と言ってくれました。
しかし、それでも800円と高価…、地元にあっても絶対に入れない価格ですが、遍路中は我慢して入ります!
因みに俺は精神障がい者手帳を交付されているので、地元なら温泉入浴料金100円(20回/年)です。
荷物が大きくてロッカーには入らないし、温泉が2階にあるのでフロントに預かって貰いました。
脱衣場まで行って忘れ物に気付き、フロントに取りに戻ると、店員さんたちが俺のザックを不思議そうに「ワー!ワー!」言ってました。
そりゃ、腕で持とうとしたら俺でも持てません。
背負ってください、余裕ですから!
ゆっくりもしてられないので30分ほどで風呂を出て、野宿地を探しながら29番札所国分寺を目指しました。
遍路中は温泉の定休日に気を付けて下さい。
お風呂を楽しみにしてたのに定休日だったとか、俺だったら立ち直れませんよ!
国分寺が向こうに見えた頃に日も沈み出しました。
本日の野宿地は予定通り国分寺前にあるお地蔵さんの横でした。
幸い、前の道路は作業車しか通行を許可されてないので1台のみの通過でした。
目の前の川にはテントを張れるスペースは微妙な場所しかありませんでした。
日が暮れて川面に写る橋のオレンジ色の光がきれいでした。
アルコールストーブでの調理を終えて、今日もおやすみなさい。