昨日は八幡浜市にある千丈駅まで来てカイがギブアップしたので電車で車を取りに戻り、大洲、内子と移動して河川敷の無料キャンプ場でテント泊となりました。
意外にもまったりとした時間を過ごしていたのですが地元の若者グループがキャンプではなくバーベキューをしに来ていて、22時を過ぎても収まるどころかアルコールパワーによってますます盛り上がり、意味不明の音頭が始まったことでやむ無く警察に通報することに。
結局、警察が注意に来たところで“愛想”を振り撒くだけで、なかなか帰ること無く、お陰様で眠れず辛い朝を向かえます。
連泊となったキャンプ場ですが、同じく連泊さんも数名いらっしゃって、本当のキャンパーのスマートで静かな落ち着いたキャンプに『これこれ』と感じる反面、何故こんなにも“勘違い”した奴らが湧いて出てくるのか疑問です。
小さな子供がずっと「お母さん、眠い」と言っているのに、肝心の親は「うんうん、眠いねー」だけで終わっていたのが過去の自分と重なり悲しかったです。
そんな愚かな過去の反省と癒しに、実に遍路は“百薬に勝る”ものであり、この薬にもまた“四国病”という副作用が御座いますが、痛むのは本人の懐と身体だけなので、他人を巻き込まない限りはOKとしましょう。
さて、話を遍路に戻します。
千丈駅の駐車場なのか、空き地に車を停め出発しました。
1日休んだカイの足取りも軽く、まだ気温も高くないので進めるうちに進んで昼には終えようと、車で何度と無く走った馴染みのある道を進みます。
実は昨日、千丈駅で中断の判断をする直前にとある方からLINEが届き、「この先でお接待をするために待っているので立ち寄って下さい」との連絡を受けていました。
しかし、返事をした直後に歩けなくなった犬がいて本当に申し訳ないことをしてしまい、今朝はその場所の前を待っていたその人の姿を想像しながら頭を下げて通りました。
九州からの玄関口である八幡浜市から大洲市へ抜ける国道197号線を少し歩くと、お馴染みの遍路シールを発見し「おお!」っと喜びます。
遂に「遍路とは無縁」と見向きもされなかった八幡浜市に遍路の灯火が灯ったような気がして九州人遍路として嬉しかったです。
実はこの日の前日に遍路道保存協力会の方々が夜昼峠の調査に来られており、同じタイミングで歩く可能性があったのですが、我々は予定を変更して笠置峠から歩くことになりました。
前方に見えるのが夜昼峠付近になるでしょうか、ここから橋を渡って側道の小道を進むことになります。
最近この上を高速道路が走ることになり、その工事の関係で側道に入る場所選びが難しかったでしょうが、地元の方の話によると古来の道は側道よりまだ北側の山中を通っていたようで、どういうわけか珍しくビーニャさんの遍路道レーダーもそちらを示していたようです。
側道に入るとすぐに人しか歩けないほどの道幅となり、遍路道らしさにワクワクします。
横を流れる千丈川もまた雰囲気があって心地よく、自動車が走る以前の風景や人の生活を想像しながら歩きました。
暫くすると再び国道197号線に合流しますが、その脇に解読不能な石碑が2基。
そこから更に宇和島から三間を思い出すかのような長くだらだらとした坂道を登り続けると、
再び側道が現れそちらへ進もうとすると、『あれっ?』と前方の山側にお堂らしき建物が目に入ります。
『何かな?何かな?』と茂みの中に入っていくと、
左の大きな石碑に“大師堂”と刻まれているのが目に入り「うぉぉぉぉ!」っと遍路の痕跡の発見に大喜びする。
かつては30メートルほど西側にあったと伝わる大師堂内を覗いてみると勿論お大師さんと、その脇仏さんが見えました。
「南無大師遍照金剛…」とご宝号を唱え先に進みます。
そこからも意外と長い上り坂を登っていると、目の前にチェックポイントとしていた旧川ノ内小学校が見えました。
それと同時に「うぉぉぉぉ!」と再び喜びの声をあげる。
正面のトンネル上は国道197号線になり、トンネル手前から左にある坂道と階段を上れば旧川ノ内小学校正門となるのだが、その上り坂に遍路石らしき石柱が目に入ったのだ。
近寄って確認すると高い位置にある小ぶりな遍路石は江戸時代後期と推測される年号が刻まれており、手印と弘法大師像、その下に左 へんろ道と刻まれているようである。
その下にある大きな遍路石は大正10年(1921)年のもので、左 おゝず道(おおず) 右 ふるやぶ道と刻まれている。
これが数年前からずっと見てみたかった八幡浜市に残る遍路石であり、八幡浜にも遍路道が通っていた証となった。
さて、階段を登って197号線へは進まず、遍路石の示す“おゝず道”へ左にぐるっと回って急坂を登り、旧川ノ内小学校裏を通って進みましょう。
この急坂からしてここがあの“夜昼峠”だろうと、覚悟を決めてレッツゴーです。
その後“ふるやぶ道”に関する記事を書きましたので、興味がありましたら机上の空論“大窪越え”を御覧ください。
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