3巡目

笠置峠を下り坂終えて夫婦岩へ

随分と笠置峠を下っておりますが、それでもまだまだ下り、海に向かっているのを実感します。

その途中で古びたお堂がありました。

四国各地の遍路道沿いでたまにお堂を見かけますが、山道で見かける殆んどが朽ち果てていたり、崩れ去った後で、このお堂の中にも立派な仏像がありましたが光背が半分ほど無くなっておりました。

こんな姿になって朽ち果てていくなら持って帰って大切にしたいほど仏像は好きなのですが、まだ仏像を見分けられるほど詳しくはなく、阿弥陀如来か薬師さんか釈迦さんだったと思われます。

四国各地には主な遍路ルートから逸れて見向きもされなくなった古道が残ってますが、その中でも随一と言っていいこの笠置峠には石畳や石仏など沢山の“痕跡”が残っておりました。

正直、ここまで大切にされている遍路道も珍しいくらいですね。

ぐんぐんと坂道を下り、墓地を通りすぎるとチラホラ民家が現れだし、釜倉の集落に下りてきました。

ここが八幡浜市側から笠置峠に登る玄関口となり、沢山の石仏や丁石が置かれていましたので一つ一つを興味深く拝見しました。

振り返ると、

“右 山田やくし卯之町”と山田薬師を示す道標があります。

山田薬師には立ち寄ることが出来なかったので、歩き終えて車を回収したら行ってみようと話しましたが、今回は行くことが出来ませんでした。

幟立ての後ろにもお地蔵さんとか沢山の石仏があります。

今回歩いてきた旧八幡浜道(笠置峠)と、その後出来た新八幡浜道(鳥越峠)はこの釜倉の集落で合流することになるそうです。

さて、ここまでとても清々しく歩いて参りましたが、既に心はうんざりへと変化しております。

今まで何十回と車で通ったここから始まる道が、交通量のそこそこ多い歩道もない歩きにくい道だと知っているのです。

更に昼前となり気温も上昇してきているので犬達のことが心配ですが、ここからは日を遮るものもあまり期待できません。

笠置峠は国の史跡に登録されたこともあり、少し歩くと笠置峠利用者の為の駐車場が整備されておりました。

こちら側(八幡浜市)からの登りはキツそうですが、こんな良い道が近くにあればたまに登りに来たいですね。

因みに双岩駅(八幡浜市)も遠くないので、今回我々が利用した西予市側の上宇和駅、もしくはもっと笠置峠に近い伊予石城駅を利用して笠置峠を歩くのも半日程度でしょうからお勧めです。

西予市側に駐車場があったかは確認しておりませんが、安養寺前の墓地とかどうなのでしょうか。

釜倉の集落から少し歩くと、八幡浜市と西予市を繋ぐお馴染みの県道25号線に合流しました。

『なるほど、ここに繋がるのか』と、歩いてみなければ分からなかったことに嬉しくなります。

思い返せば遍路一巡目のこと、俺は43番札所手前にある民宿に泊まり、翌日に控える難所出石寺までの道順について悩んでいました。

それを夕食の時、その遍路宿の主人に相談したところ勧められたのがこの県道25号線(笠置峠ではない)を歩く道で、その時は『それは遍路道じゃない』と反発心から歩きませんでしたが、

実際歩いてみたら大筋はこの道で合っていたと自分の無知を反省させられます。

宿の主人は笠置峠のことを知っていた訳ではなく西予市から八幡浜までの最短ルートを教えてくれた感じですが、あの時よくよく調べていたら今回の道に辿り着けたかもしれませんね。

双岩の集落まで来ました。

既に暑く、既に歩きにくく、犬に少しでも影を歩かせようとしますがこれがなかなか上手くいきません。

当初の予定ではこの先にある夫婦岩の公園で昼休憩を予定しておりますので何とかそこまで歩きましょう。

笠置峠を下って釜倉の集落からここまで約2kmで、双岩駅から夫婦岩公園まで約1kmの距離です。

夫婦岩公園に着きました。

そばを川が流れているので犬を遊ばせたかった(涼ませたかった)のですが、崖になっており、とても近寄れませんでした。

公園内に広い東屋があったのでそこで昼食に買ってきたパンを食べて休憩とします。

この辺りからカイに疲れが目立ちだし、今日の雲行きが怪しくなってきました。

今回の旅は1泊2日で笠置峠と夜昼峠を組んでいるものの、自分一人なら1日で十分な距離であり、それが叶うなら今日の風呂無し問題も解決するのですが、心の中では既に諦めモード。

『あー、やっぱり風呂無し野宿になるのか…』

しかし、ずつと心に引っ掛かっているのは、これから向かうのは八幡浜の街なので野宿ポイントも心当たりが無く、だからここの夫婦岩公園も野宿地の候補としていたのですが、思いの外、半日(昼)で辿り着いてしまいました。

何はともあれ、犬達が八幡浜の市街地で歩けなくなりませんように…(フラグ)

万が一としては八幡浜にはとても御世話になっている方がいらっしゃるので、野宿ポイントを教えていただくつもりで歩きましょう。

あー、風呂入りたい、1人で歩きたい、何で2本足ではなく、4本足に増えて、更に8本、12本と足が増え、遍路をすることになったのか…。

いや、そもそも12本なのか、やっぱり8本なのか、

お前らのそれは足なのか、手なのか…、取り敢えず、道端を匂わなくていいから早く歩いてくれ。

ふろ…。

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