まさかの遍路中断を決定! 区切り遍路26日目③からの続きです。
昨晩はありがたいお接待に心も体も温まりながらグッスリ眠ることが出来ました。
やはり温泉にゆっくり入れると身体の痛みが全然違います。
痛みで目が覚めることもそこまでなく、翌朝の身体の動きも全然違います。
テントを畳もうとしてると、突然あの人が騒ぎ出します。
ビーニャ『見て!見て!テントが凍ってる!』
確かに去年程ではありませんが、今年も遍路で、テント、凍りました。
道の駅めじかの里土佐清水に丁度今回歩いた範囲の地図がありました。
右端が少し欠けてますが、こんな感じで東から南へ向かい足摺岬をぐるっと周り、愛媛と高知の県境の宿毛市へ行ってゴールです。
当初の予定してた愛媛県の40番札所には犬とビーニャ連れでは全然届きませんでした。
計算はしてませんが130km程度でしょうか?
この人たちと歩いてると1日20km前後が限界の様で、1日30km前後歩く俺は正直モヤモヤ…で、今回、もしくは今回の3巡目で遍路引退を考えながら歩いていました。
俺の遍路もずいぶんと形が変わってしまい、1人増え、1匹増え、これを書き直している2022年には更にもう1匹増えております。
テントを撤収して、御世話になった道の駅めじかの里土佐清水に一礼して出発です。
予定してたスノーピーク土佐清水キャンプ場より3km手前でしたが、本当にいい所でした。
歩き出してすぐにお馬さん、おはようございます。
人になついてるのか、ワザワザ自分からこちらに寄ってきてくれました!
しかし、我々には、
コイツがいます。
この足の踏ん張り方!太い2本のリードで引っ張り合い。
珍しく、闘争心剥き出しで飛びかかります。
動物愛護センターで2メートルはある隣の部屋との壁を飛び越えた伝説を持つカイこと旧名チャイム。
勿論、飛びました。
そして、リードに引っ掛かり、背中から落ちました。
昨日は疲れが目立ち、旅の中止を決断する程だったカイですが、一晩眠れば元気ですね。
カイをよく観察していると、どうやらアスファルトが歩き辛くなってきたようです。
靴を履いた人間でも歩きにくいですもんね。
今日は、今回の遍路のメインである約20km先の月山神社へ向かいます。
そこから今晩の寝床はまだ探していませんし、目星も付いていません。
次の道の駅大月もここからだと30km程度あるようです。
犬連れだと無理ですね。
いいんです。
山の中でも。
生きていけます。
背中に全て背負ってます。
今まで自転車通し打ちで1回と車で数回通ったはずのこの道ですが、記憶にない場所が非常に多かった。
次のお寺へ20kmも遠回りするわけだから殆どの人に避けられるこのルート。
その道中、必死に匂いを嗅ぎ、必死にマーキングするカイ。
そんなにマーキングしたって、次来るのは最短でも4巡目だよ、カイ…。
そもそもお前は八十八ヶ所1巡するのかい?
次は真念庵ルートの地蔵越え、次は三原村キャンプ場ルート、その次にこのルート。
いや、もう20km遠回りだし来なくていいや。
いや、もう、歩き遍路いいや。
うん、いいや。
足摺海洋館、ここは記憶にあります。
新しい建物は今年夏完成の様です。
その横の海底館に空海の見残したみちがありました。
何度も話には聞いてた見残し海岸です。
せっかくですので海沿いの遊歩道を歩きます。
1日20kmしか歩けないと分かっていたら、もうゆっくり歩きますよ。
ここにも空海さん。
日本各地に空海さんいらっしゃいますね。
自転車遍路の時に遠くから見て、とても気になった海底館の建物。
そもそも、この遊歩道を「遠回りだから行かなくていい!」と言ってた人が急に興味を示し、更に「あそこ、海の中見えるよ」と言うと更に興味を示したので、俺がカイと綺麗な海を見て待ち、ビーニャさんは海底館にイキイキと歩いていきました。
すぐに戻ってきたビーニャさんと本道へ戻ります。
ここに来ても空海さんは修行の道を歩ませます。
岩をくり貫かれた迫力ある遊歩道。
さらば、足摺海底館。
さらば、見残し海岸。
また1つ四国を知ることが出来ました。