金剛福寺と足摺岬の思い出 区切り遍路25日目④からの続きです。
昼間は動いていると汗を掻くほど暑いのに、やはり夜は冷えますね。
日の出が遅く、朝の寒さも辛く寝袋から出たくないですが、そろそろ片付けて出発しますよ。
あら、おはよう。
昨晩は温泉に入った影響か、寝ている時の身体の痛みがいつもと全く違い、非常によく眠れました。
こんな狭いテントのスペースでカイと何日も一緒に過ごすわけだから、カイとの距離もぐっと近くなってる気がします。
今までは足元で寝てたカイも俺たちの間に挟まった方が暖かいだろうと川の字になって寝てます。
微笑ましい光景かもしれません。
しかし、コイツは“トグロ”を巻いて寝るわけです。
つまり、凄く幅を取るわけです。
自然と隅に寝てる俺が更に隅に追いやられて寒い思いや、結露の関係で冷たい思いをするわけです。
トグロを巻かずに真っ直ぐ縦に寝てくれませんかね?
テントの中でも犬臭さを感じなくなってきましたが、俺が汚染されたのでしょうか?
大切なキャンプ道具に臭いがつくのは阻止しなくてはいけません。
しかし時、既に遅し…。
身体の痛みや寒さの関係で午前4時には起きて、寝袋イモムシさんしながらブログを書くのが日課です。
当日に書かないと忘れてしまう人なので、出来れば当日の夜書きたいのですが、そう出来る日もあれば、やはり疲れて寝てしまう日もあります。
そんなで朝から書いてたブログが何故かあと数行で消えたので、今日の出発はやや遅れですよ。
足摺岬を出発して土佐清水市を目指します。
今日の目標は24km先にあるスノーピーク土佐清水キャンプ場です。
理由はコインシャワーがあるからのみですよ。
歩き出して2km程で昨日の野宿予定地だった足摺遍路小屋に到着しました。
遍路小屋の周りは傾斜がきつめですが芝生で、まぁまぁ良さそうな環境。
水無し、自販機あり、トイレは奥に仮設があったかな?
実は今朝、カイに気になる所を見つけました。
脇の部分の毛が抜けてるのです。
『もしかして、ハーネスと擦れてるのかな?』と、その理由にビーニャが気付くまで俺は気付けませんでした。
逃げ出したらいけないとキツめにしてたハーネスですが、1日20km以上も繰り返す歩行摩擦で擦れてしまってたようです。
俺も毎回、股とお尻は長距離繰り返す歩行摩擦で必ず擦れて皮が剥げます。
気付かないうちに本当に可愛そうなことをしてしまった…。
酷くなる前にベストを緩め、旅の中止も検討します。
犬を飼いなれていないのであれこれ思考しながらベストを外して歩いてみました。
逃げたりはしない子ですが、他の犬を見たときの勢いは凄まじく、首を閉めながら寄っていこうとします。
今日1日様子を見てみることにしました。
番外札所月山神社を目指すこのルートは自転車遍路で1回、車遍路では数回通っていますが、こうして遍路道を歩くのは初めてです。
昨日から足を摺り摺り進む程の暗く恐ろしい難所だったと言われる足摺岬を体験してますが、平坦なアスファルトの続く室戸とは違って、足摺岬は意外にもアップダウンの連続です。
海と言うより断崖絶壁を歩いていたのだろうと思われます。
土佐清水市に行くには土の遍路道を2ヶ所通るようです。
その一つ目に辿り着きました。
昨日、以布利から窪津への遍路道にボコボコにやられて「もう私いやだ」と泣きべそを2度もかいたビーニャさん。
「靴に履き替える」と、この旅初のトレッキングシューズの出番です。
相変わらずスリッパで行こうとしてた俺ですが、俺も一応履き替えることにしました。
さて、トンネル手前から脇道にレッツゴーですよ。
新たらしく出来た長いトンネルの手前を上がって行きます。
登りだして早速、倒木さんこんにちわ。
倒れながらも元気に生きていらっしゃいました。
もうね、四国を歩いてて毎度の事ですが、どんな激坂でも何故写真じゃ伝わりにくいのでしょうね。
トレッキングシューズにして正解の、いえ…、大正解の遍路道でしたよ。
あの大滝寺を思い出させる登りが2ヶ所ほどの石畳の遍路道でした。
カイに引っ張られるこの人も、
「もう嫌」だそうですが、俺も嫌です。
あー、大滝寺並みの激坂や…。
今日は遂にカイが座り込み『歩きたくない』を何度もしました。
人間の、いや、ビーニャの都合に巻き込んでごめんね。
俺も巻き込まれてるんだよ。
一緒に抗議しようね。
車道に出て休憩したら残りの山道へ。
今日はずっと始めて見る遍路道に右も左もわかりません。
長く険しい遍路道をずっと歩きました。
やはり、足摺岬、難所なり。
やっと道路に出たと思えば岩場の崖。
急勾配の下りを誰かが設置してくれたロープを掴み無事に下ることが出来ました。
遍路道はとても時間を消費しますね。
時刻は11時前頃でしょうか?
既に予定より遅れてます。
お腹も空いてきましたが、米以外何もございません。