あぐり窪川で野宿 区切り遍路21日目④からの続きです。
昨晩お世話になった道の駅あぐり窪川です。
右奥のタイルの所がフラットで丁度2人が寝れるスペースで、テントがはみ出た部分に荷物を置きました。
レンガと芝生の場所は凸凹が激しくてテントには向きませんでした。
昨晩も寝た実感がなく、流石に今日は不眠で鬱っぽくなりました。
ずっと回っていた換気扇の音もですが、何より身体のあちこちが痛すぎます。
特にふくらはぎが痛くて痛くて眠れません。
焼坂峠と添えみみず、おまけに風呂無しによるダメージでしょう。
これで眠れた実感が持てたのは初日の国分寺前のみで、不眠の連続に流石に辛くなってきましたが遍路も今日までなので頑張りましょう。
さぁ!今日も歩くよ!
道の駅には昨晩から子猫が1匹いました。
実は昨日テントを張るまでの閉店待ちの間、この子猫を餌付けしている女性と話をしました。
女性「この猫飼って貰えないですか?」
俺「遍路中だし、遠くから来てるので…、それに貸家ですし飼えません」
しかし、そう伝えても何度も「飼って貰えないですか?」と言われ困惑しました。
おまけにこの猫は、めちゃ可愛いけど人に慣れてない。
それに人に飼われることが幸せかもわからない。
とは言え、貸家がペットOKで人になついてたら連れて帰っただろう。
さて、残念ですが岩本寺へ向かいましょう。
はいはい、お馴染みすぎて、もうね、イラっとすることもありますよ。
上の青い看板横に書かれている案内には岩本寺850メートル。
お馴染みのあの子には1,6km。
何ですか、この2倍の差は。
後に聞いた話では遍路シールが次々と剥がされて、この白い行政の道標に統一する動きが出ているようです。
確かに法的な話では電柱やガードレールに何かを貼ることは禁止されてるかもしれません。
しかし、遍路という遺産に対しての特例は無いのでしょうか?
これが四国の1つの名物となってるのに、それを自ら無くすとは…。
俺にとっての道標はあの赤い矢印や、先人達が苦労して立てたお馴染みの白に赤い遍路を書いたあの看板です。
どれほどの人があの道標に何かを見いだし憧れているだろうか。
少なくともひきこもり最中の俺は、あの道標に凄く憧れて1つの目標として心の中で遍路してました。
しかし、確かにそう言われると減っているような。
以前からですが、須崎の街のシールの少なさと言い、この行政と黄色の地図の距離の差といい、どちらも修正を御願いします。
何故、外国人向けの地図がこんなにも人気なのか、ライバルから学びましょうよ。
遍路に慣れている俺は頭の中の風景と地図を照らし合わせるだけなので未だに黄色い地図の方が使いやすいですが。
途中で急に腹痛に襲われ、運良く窪川駅近くだったのでトイレに駆け込みました。
その駅前で見かけた気になる白いポスト。
子供に読ませたくない本やビデオを入れるポストらしいですが、このブログも入れる訳にはいけませんか?
37番札所岩本寺に着きました。
この旅で初めての週末の寺です。
チラホラ車遍路さんいらっしゃいますが、やはり数は減ってますよね。
歩き遍路さんも減っているようですし、団体遍路バスは全く見かけません。
岩本寺は境内横を線路が走ってます。
その線路を電車が通るとお馴染みの大袈裟に驚く人。
そろそろ電車見るたびに大袈裟に驚くのどうにかなりませんか?
岩本寺と言えば本堂の天井に書かれた絵が有名ですが、そればかりで飽きたので『他にも何か無いかな?』と探しました。
これも有名なことですが、岩本寺は御本尊が5体なこと。
御本尊真言に慣れてないと大変ですよ。
しかも1体目から不動明王ですからね。
本堂にピアノがあること。
どうでもいい(笑)
うろうろしてたら境内に古い遍路石を見付けました。
文化(1804-1818)の遍路石でした。
古い遍路石を見てると、昔の人と同じ道を歩いていることにワクワクします。
岩本寺にはちょっぴり格好いい納め札が売ってました。
岩本寺限定らしく、少し大きめで字も太くいい感じでしたね。
岩本寺を後にしてこの旅の締め括りへと歩きます。
暫くは退屈な国道のアスファルトでしたが、
途中から市野瀬遍路道へ。
以前は外国人2名と、
『シコクゥー!』
『オンセンー!(佐賀温泉)』
と、叫びながら歩いた思い出の遍路道。
今日は右膝に走る神経痛で殆ど思うように歩けず、痛みを我慢して息を止めながら歩いたから酷く体力を奪われました。
疲れも出てるし、何より不眠続きがキツかった!
ビーニャ「ねぇ!撮って、撮って~!」と、急に後ろから聞こえる。
俺「あ、はい」
木を跨いでるだけなのに、そんなに自分を写して欲しいなんて。
昔は大の写真嫌いだったのに…、そんな写して欲しいなら、
ほら。
以前、通し打ちした時の宇和島松尾峠のひとこまでもどうぞ。
遍路道を塞ぐ数本の倒木に必死にしがみつくビーニャ。
何本も倒れていたので乗り越えるには結構な高さがあります。
荷物も重く、ここまで木を乗り越えて動けなくなり必死にしがみついてます!
写真左下の木の間に少し写る遍路道、右は結構高い崖。
皆さん御存知ですが、私たちは有名な夫婦喧嘩遍路で、この日もずっと喧嘩。
余りにも生意気ばかり言うものだから「崖に落ちてくれたらいい」と、暫く助けずに見てましたが、最後は助けましたよ。
俺って凄く優しい。
なのにこの日はこの直後にますます酷い大喧嘩の宇和島でした。
助けなければよか(自主規制