国分寺から竹林寺へ 区切り遍路18日目①からの続きです。
スタートから激しい登りの31番札所竹林寺への遍路道。
もちろん後ろの人は着いてこない。
2人で通して歩いたあの時は、松本大師堂から33番札所の渡し船の所まで1日喧嘩尽くしで、いい思い出の無い場所です。
まぁ、この程度の遍路道ならまだスリッパで登れます。
あれ、こんな距離だったけ?と言う具合に「ぜぇぜぇ」言ってたらその内登りきってました。
この竹林寺のある五台山はちょっと変わってて、高知県立牧野植物園の中を遍路道が通ってますので、歩き遍路さんは無料で植物園の中を歩く事が出来ます。
遍路道を登り、植物園内を通過して竹林寺に着きました。
竹林寺は四国八十八ヶ所の中で1、2を争う綺麗なお寺では無いでしょうか?
因みに車遍路で1番最初に訪れたのがこのお寺でしたが、今となっては何故ここだったのか本当に不思議ですね。
1日で破れ果てた、歩き遍路で行った人生初のお寺は愛媛県の43番札所明石寺でした。
五重の塔が立派ですねぇ…、といいながら特に見ませんが!
こちらは五智如来さん。
仏像は大好きなのでまじまじと見ますよ。
あの人が「ここの名物のようかんを2人で食べよう」と、通し打ちの時に叶わなかった夢を果たしたら五台山を下りますが、ここの下りの遍路道が実は危ないのです。
段差キツい、苔いっぱい、不揃い、おまけに石の階段が崩落してる、雨の日には絶対嫌な遍路道です。
と言いながら、スリッパですよ。
次の32番札所禅師峰寺へは、外国人向けの遍路地図には載っている遍路道を使うことにしました。
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いつもはここを右に曲がりますが、今回は真っ直ぐ進みます。
道しるべもありませんし、擦れ違ったお爺ちゃんには「向こうの道に戻れ」と言われます。
お爺ちゃんのアドバイスはスルーさせてもらって予定の道を歩くと、随分と歩き不安になってきた頃に昔の遍路石を発見器してホッとします。
近くにもうひとつ遍路石がありました。
峯寺道と五台山道と古い呼び方で案内されてますね。
肝心な、いつ作られたものかは見落としてしまいました。
取り合えず、この道も古来の遍路道だったと証明されました。
しかし、禅師峰寺への登りが始まる南国私立十市小学校横の遍路道は草ボウボウで、足にいっぱい変なものがくっつきましたよ。
入り口だけは荒れてましたが、その他は問題なしで順調に登ります。
今回歩いた遍路道は主流となっている現代の遍路道より登るのは楽だったかな?
向こうに室戸岬がうっすらと見える見晴らしの場所に辿り着きました。
27番札所付近の大山岬も見えます。
今回の区切り遍路を打ち始めた28番札所大日寺もすぐそこに見えるのに、この高知市付近の札所はなんで大回りさせるのだろう。
ここまで28番札所から32番札所まで大きく“C”の字で進んで、今度は西に進み始めます。
禅師峰寺境内からは、明日から向かう方向に太平洋と浦戸大橋が見え、母と長男がそこのベンチに座って1日の車遍路を終えていたのが思い出させる。
ここに来るたびにその姿を思い浮かべ切なくなります。
ある日、引き裂かれ、ずっと会えていない長男。
俺は母と孫と会わせることが出来なくなった罪を『なんという事をしてしまったのだ』と最近特に後悔してます。
この旅の出発前まで自傷行為をしていた俺が言えることではないけど、今をしっかり生きることしか償いはないですね。
さて、時間も無いので先を急ぎましょう。
ビーニャさんのザックも順調にパンパンになってきてますよ。
今晩の野宿予定地は種崎千松公園キャンプ場ですが、32番札所から6km程でしょうか。
禅師峰寺関係者の方にはガレージを使ってもいいとおしゃっていただきましたが、食べ物も水も持ってきておりませんので進みます。
禅師峰寺を出発したのは16時なので、あと1時間半はかかる予定ですし、道も細く歩きやすい道ではありません。
今夜の野宿地に着く頃には空はすっかり暗くなっております。