古来の遍路道の探索 区切り遍路44日目②からの続きです。
愛媛県西条市から古来の遍路道を探索しながら進んでまいりましたが、ちょうど昼時となったこともあり一旦国道11号を歩きスーパーの駐車場で昼食を終えました。
ペット連れ遍路でなければ店内のイートインコーナーで食べることも可能ですが、強風のなか寒さに耐えて外で食べるしか無く、食べ終わった空の容器を再び店内に持ち込んでゴミ箱に捨てるのも気が引けるものです。
意外とやってみると想像以上に手間がかかるのがペット連れ遍路であります。
国道11号を少し歩くと再び旧道に入り、それを物語るように地蔵堂や常夜灯などが目立ってきます。
実は今回歩いた遍路道は63番札所吉祥寺付近より松山から続いてきた讃岐街道(金毘羅街道)が合流している場所で、この道はとても歴史を感じる道でありました。
それを知るまではずっと住宅に挟まれた交通量の多い狭い道を歩くだけのストレスがかかる道として大嫌いだったのですが、流石に歩いて3度目(自転車でも1度)ともなると色んな場所に目が行き、再発見に驚く一方でした。
この讃岐街道と遍路道はここから35kmほど進み、四国中央市に入った辺りの“へんろわかれ”で讃岐や金毘羅に向かう道と、65番札所や別格札所箸蔵寺へ向かう遍路道、はしくら道に分かれます。
ここで出てくる別格15番札所箸蔵寺は金毘羅神社の奥の院でも知られ、過去に賑わっていたことを物語る立派な参道や“はしくら道”と名の残る道があるほどの札所なので、是非とも1度参拝をお勧めしたいところでもあります。
先にあった六地蔵では“こんぴら”までの道のりを示す道標が讃岐街道であることを物語っています。
遍路石と同じくこれからいくつもの“こんぴら”道標を目にすることになります。
この先で再び国道11号線と合流したかと思えば、すぐに国道11号線を突っ切って側道へ。
その旧道を数百メートル進んで再び国道11号線に出たら100メートルもせず再び旧道へと進みます。
大きな国道を横に見ながら歩く旧道は、昔を感じるミミズの様にクネクネとした道で、その両脇にはずっと民家があり、いかに国道が民家の無い場所をストレートに道を切り抜いたのかが分かりますね。
歩いていて丁度良い気温のなか旧道を歩いていると庭に出ていたおばあちゃんが「ああ!ちょっと待って!」と家の中に戻り、オロナミンCとチョコレートのお接待をくれました。
御礼を伝え暫く話し込んでいると「ここが本当の遍路道だったのよ~」と色んな過去の歴史を話してくれました。
俺はこうして地元に住み過去の遍路を知る方と話をするたびにその記憶が羨ましくなり、頭の中でこの方たちの記憶にあるセピア色の遍路の姿を想像します。
どんなに求めても見る術のない過去の遍路に本当に恋焦がれます。
そこから再び国道に合流して渦井川を渡った先の橋の下で休憩を取りました。
この子達が休憩中に座らないところを見ると、まだまだ元気ですね。
天気はずっと曇りですが、どうやら今日は雨に打たれずに済みそうです。
しかし、明日の天気予報がどんどん悪い方に傾いていくことに気が滅入ります。
休憩を終えて歩き出してすぐに、何度目となるでしょうか、国道から右の旧道に分かれます。
ここから暫く“旧街道”と案内される看板どうりに歩いて行くことになります。
犬のペースでゆっくり歩きながらも、今回はこの辺りから早い段階で肩が痛くなってきました。
たった2日の遍路なので荷物も軽めの15kg程度なのですが、最近本当に体力の衰えを感じており、「何らかの行動を起こさなくては」と口に出し続けはするものの、結局体力作りに向けて行動は起こせておりません。
このままでは遍路を続けられないのではないか?と思うような体力の衰えですが、旅から帰りこれを書いている1ヶ月後は何とか筋トレを再開出来ているところです。
『痛い…、痛い…』と肩と首の痛み誤魔化しながら旧街道を歩き辿り着いたのは、以前お世話になったことのある萩生庵でした。
おばあ様が亡くなったとの情報はどこかで耳にしていたのですが、今回絶対に手を合わせに来たいと思っていた場所です。
ビーニャさんと香港ガールと3人でここに泊めて頂いた時のことを思い出しながら、おばあ様の今世の行いに感謝と来世の幸せを願って何度も振り返りながら萩生庵を後にしました。
萩生庵であったことを占めす一休君?はずっと残って欲しいですね。
この先で黄色い遍路地図の方では南を走る“しこくの道”へ向かうルートもあり、俺は1度そっちを歩いていますが、今回どっちの道を歩くかは本当に悩みの種でありました。
実は“しこくの道”方面には温泉もあり、当初の計画ではこの温泉に入って近くの河原で野宿する予定でした。
しかし、温泉と河原が少し離れていて不便なことと、今回は2日しか歩かないこと、この道は遍路道ではないであろうことを考慮して旧街道を進むことに。
一応、黄色い地図に遍路道と記載されているので歩いたことがないビーニャさんに歩いて貰いたかったのですが、実に退屈な道であるのも事実です。
また今後の課題として残しておきましょう。