遍路

街中に残る遍路石 区切り遍路39日目①

遍路のルーツを感じる 区切り遍路38日目⑧からの続きです。

昨晩(2月26日)は48番札所近くの温泉付近にある空き地で一泊しました。
お山さんの予定では46番止まりだったので、昨日はここまで頑張って歩いて温泉に入れてよかったです。

ていれぎの湯は種類豊富でとてもいい温泉でしたし、48番奥之院丈ノ渕由来の温泉もありました。

お地蔵さんと一緒の一夜でしたが、睡眠がとれた実感はなく2日連続辛い夜となりました。

テントで隠れて見えませんが、目の前には窪地があり、小さな池があります。

野宿と自炊の旅の朝は支度に時間がかかりますね。

しかし、寒いこの時期に早く起きて動き出すことは中々難しいです…。

交通量の多い道に戻り、48番札所西林寺を目指します。

大きめの交差点の角の家の植え込みの中に保存された遍路石があります。

大切に残して頂いてありがとうございます。

少し歩くと西林寺への看板が見えてきました。

その先の橋を渡ります。

大きな橋ですが、水が流れているのはほんの少しで、向こう岸は小さなゴルフ場となっております。

昨晩の野宿予定地はこちら側の川の何処かを予定していましたが、出来る限り温泉に近い場所が良くなり、昨日の場所となりました。

西林寺が見えてきました。

手前に2ヶ所ほどお堂があります。

西林寺の橋を渡ると向こう側に犬と人影が。
クウは他の犬を見るとお行儀が悪いので気付かないように目を合わさずササッと西林寺へ逃げ込みました。

するとたったこれだけの距離で大分後ろを歩くカイお山さんが呼び止められ何かを話してます。
カイは人にも犬にも(一部)大人しいので大丈夫なのですが、クウは人が大好きすぎるし、犬とは遊びたがるし、もう跳ねて跳ねて大変です。

俺はこの時お腹が緊急事態を起こしていたのでそれどころではなく、西林寺のトイレに飛び込みました。

そして出てくるとやけにニコニコしているお山さんの手にはお接待が。
お山さん「犬のおやつ貰っちゃった😊」

何故かお山さんビーニャさんはお接待を非常によく貰いますが、俺に関しては貰うことが少ないです。

その理由は1巡目から仲間たちに言われてたのですが「落ち着き放っていてベテランの風格があるから…」らしいです。

落ち着き放っているのではなく感情表現が苦手なのと、人が苦手なので目を合わせないように歩いてるんです。

因みに四国の皆さん、ベテランにお接待した方がご利益あるらしいですよ。

素人にお接待したってあいつら喜ぶだけっすよ。

西林寺を出てどんどんと都会に向かって進んでいきます。

(あ~…、ただでさえ街中は歩きたくないのに、犬まで連れて…、見世物じゃねえかよ…)

なんてウンザリ思いながら歩いていると、

(あ~、元気してるかなぁ…?)と看板を見て思う…。

すると後ろから、

お山さん「プっ…、お父さんやん!(笑)」

うん。

俺の親父の名前。

凄く怖くて、酒を飲んだ途端暴れ出す親父の名前。

しかもよく見ると、この会社のロゴマークのヤジロベー?がお遍路さんにしか見えない。

うん、肩に乗れよ、一緒に遍路しよう。

いつも親父や祖母にそう話かけて四国を歩いている。

更に街に近づき49番札所へ向かって細い道を歩く。

いつも道脇にあるお地蔵さんや祠を覗きながら歩いているけど、ここにあったのは上部のみ残った遍路石だった。

こんな形でも残っていることが本当に嬉しい。

ここにも、新しい時代の迫力満点の遍路石。

少なくとも明治以降、下手したら昭和の物だろうか?

と思ってたら1862年(文久2年)のなかなか古いものだった。

とは言え、明治は1868年からだから、新しいのか古いのか難しいところ。

裏側には「きゃく へんろ道」

逆打ちはやったことありませんが、昔からやられてたんですよね。

いつかやることはあるだろうか?

簡単すぎて興味がわかないし、ご利益なんて最初から求めてない。

三坂峠を下って松山に向かうにつれ、遍路石に松山札ノ辻と言う文字を見かけるようになりました。

何のことだろう?と疑問に思っていたのですが、藩からのお知らせとかを立て札に貼って知らせるような場所で、晒し首などにも使われた場所のようです。

住宅地を歩き、突き当りに49番札所浄瑠璃寺を目視しました。

ここまで来ると道後にも近く、かなり街になります。

日曜日と言うこともあり、車の参拝客が多かったです。

コロナ以前のだいぶ前から八十八ヵ所巡りをする人が明らかに減っていたのですが、最近は少し回復傾向にあるのでしょうか?

団体バスがガンガン回っていて納経所に走って行ってた頃が懐かしく、この前話をした長珍屋に泊まった日も団体客で溢れかえっており、俺は物置部屋での一泊となったのが懐かしいです。

因みに浄土寺と言えば…と、その話題には触れない方がいいですね。

早え話、「クソったれ!」って言うような話です。

はいはい、ぼくは修行が足りないんです。

そもそも、綺麗ごとを言える人間になりたいとすら思ってませんから、これが正常です!

さて、さっさと50番へ向かいましょう。

きっとファンタジーな世界が待ってます。

この辺りから、そんな寺を呪うかのように写真左下と右上に黒い影が何枚か映りこみます

大丈夫です。

お経、読めますから。

いつも空海と一緒に歩いてますから。あっ、さっきの橋の下で寝てるわー

いえ…、

単に、一眼レフのレンズフードが回っちゃって写りこんでるだけですから!(よくやるミス…)

しかし、何故に、浄土寺から…?やっぱこの寺、不吉だ…

この絵もまだわりと新しい時代によるもの。

歩道も無い、交通量の多い道の裏路地は本当に有難い。

犬に車や人間の事情が分かるはずもなく、特に俺が連れてる方は、自分が好きすぎて、何もかもが天国な頭をしてますから。

可愛い道標から先の心躍る探検道は、少しずつ変化しており、更に遍路道が解き明かされたみたいですね。

次々と復元されていく遍路道が本当に嬉しいです。

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