3巡目

区切り遍路再スタートで鳥坂峠へ向かう 区切り遍路14日目①

 

 

2019年9月、出発の直前まで決行を迷った歩き遍路が実行に移された。

いつもは7泊8日の区切り遍路をする我々も、今回の休みは3泊4日しか取れなかった。

そう言うわけで今回は前回の28番札所からの続きではなく、遍路仲間と感動の初対面を交わしたゴールデンウィークの続きになる西予市をスタート地にする事になった。

日数が少ない関係による移動に充てる時間の削減で、九州に近いこの土地を舞台に選んだのと、もう1つの理由は毎日風呂に困らなそうだからである。(ここ重要)

九州から近い場所だけに交通手段も非常に迷った。

早い話、フェリーに車を積むだけで片道約10,000円の出費となるのだ。

これを節約するために大分県臼杵市の臼杵港付近に駐車場を探したりもしたが、前日の移動日はビーニャが夕方まで仕事の関係でそれは断念。

では次、愛媛県の何処にクルマを停めるかの問題が浮上。

前回アラフィフさんと別れた上宇和駅付近に駐車場はあるのだろうか?と調べるが情報がない❗

そこで、以前妻にメッセージをくれていたSさんに数日前に連絡を試みてみた。

ビーニャ「メールアドレスを消しちゃってる」

俺「はぁ?」

 

移動日、宮崎県都城市の自宅から、大分県にある佐賀関港を目指す我々。

自宅を出て3時間たった頃だろうか?

ビーニャ「Sさんからメールが来た!」

こうして翌日、我々はSさんの言葉に甘えて駐車場を御借りし、更にスタート地点である上宇和駅まで送迎して頂けることになったのだ。

至れり尽くせりで上宇和駅に到着。

俺「駐車場あるじゃねぇか」

数日間停めていてもいいのかは分からない。

それよりもだ、

俺「アラフィフさんを思い出すなぁ…」

この前会ったばかりでも、何処もが特別な思い出の場所。

シャッターを切る。

ここで電車に乗り慣れていない俺の勘違いにより、突然の別れとなったのだ。

その後に札掛大師で再会したのだが。

よし、歩こう、スタートだ。

ビーニャ「アラフィフさんもこの道歩いたのかな?」

秋の気配を感じる遍路道。

彼岸花も咲いている。

出発をギリギリまで迷った1番の原因は暑さだったが、現時点では予想していたような酷い暑さではなく歩けなくもない。

鳥坂峠を目指す途中には痛い思い出のコンビニがあり、いつもあの時のことを思い出す。

野宿、歩き、禁酒、禁煙を掲げて、何より苦行を求め1日で破れ果てた初めての真夏の歩き遍路。

暑さと眠れなさから深夜にこのコンビニでビールを求め、あっという間に破られた禁酒の誓いで一気に心折れたあの時。

深夜の2時にテントを畳み逃げ出した思い出が甦る。

何もかもが無茶で、何もかも“耐える”ことが人生だと思っていた。

鳥坂峠手前の遍路小屋が見えてきたが、ここまでは順調。

約2時間休憩も取らずに歩いて来たので、今後の峠に備えて20分ほど休憩して向かう事になった。

この分岐を右の国道に進めば、歩道がなく怖いことで有名な鳥坂トンネルがある。

左に行けば、番所跡もある古来からの遍路道だ。

俺の心の声『始まるぞ~』

ビーニャ「何で峠道の5,5kmが60分なんだよ、ありえないだろ…」

俺の心の声『ほら始まった~』

ビーニャ「ブツブツ…」

5分後

ビーニャ「ったく、あの看板は…」

ビーニャ「ブツブツ…」

俺の心の声『まだ言ってる』

その後

ビーニャ「ブツブツ…」

俺の心の声『いいから、早く歩けよ』

結果、やはり60分じゃ無理、90分かかりました。

峠に入る直前にもうひとつ遍路小屋がある。

階段を上がって見に行くのは初めてだが、広さも申し分無く、風通し、国道の騒音も余り無い、いいポイントだった。

しかし、トイレと水道は無し、準備が必要だ。

さて、鳥坂番所跡を越えて鳥坂峠へアタック開始。

夏ならではの草は生い茂り、蜘蛛の巣の張りからして誰も歩いてはいない。

よし、ビーニャ先歩け。

そんな事は言わずに雲の巣の餌食になり続ける俺。

それより、なにより、何かおかしい。

俺の体力が酷く持たない。

何度も何度も立ち止まり、いつもと違う俺を心配するビーニャ

そう言えば先週から夏風邪の症状が出ていたのだ。

体力が酷く持たないながらも何とか峠に差し掛かり下りに入る。

そこで何と、水を切らしてしまう。

峠に入る前の水分はお茶約1リットル。

足りないと分かっていても何故か今日はハイドレーションに水を積む気になれず、案の定の水切れ。

そんなでも幸い森の中、強い日差しは避けられている。

下り始めて日天さんを通過したが、鳥坂峠の下りはまだまだ長い。

我々は大洲の街に下る途中にある、未だに立ち寄ったことの無い札掛ポケットパークで水分補給と休憩を取ることにしたが、まだまだ遠い。

峠をある程度下るとそこには寂しさ漂う番外札所札掛大師がある。

いつ見ても、何度見てもここは本当に寂しい。

朽ち果てていく様はどうにかならないものか。

前回、最後にアラフィフさんとの別れとなったこの場所で思い出にふけり、札掛ポケットパークを目指した。

その途中にも、

俺の心の声『始まるぞ~』

ビーニャ「ほんとこの店は…」

ビーニャ「ブツブツ…」

お遍路大好きな彼女にも、いくつか許せない思い出の場所があるようだ。

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