真念庵から下ノ加江へ 区切り遍路24日目③からの続きです。
伊豆田坂を越えて番外札所真念庵の入り口まで来ました。
市野瀬にある37番、38番、39番の札所の中間地点に作られた庵と言われ、37番札所から歩いて来た遍路はここを経由して38番札所を目指し、そして39番札所を目指す途中でまたこの場所を通過します。
昔はこの真念庵で宿泊したり、荷物を置いて身軽に38番札所金剛福寺に向かったりと活気があった場所なのでしょう。
驚いたことに真念庵は建て替えられて綺麗になってました。
以前、寄付を頼まれたことがありましたが『どうせ建て替えないだろう』と思って寄付をしなかった事を後悔します。
行動に移せることを本当に尊敬します。
真念庵を出たらすぐに休憩予定地であるドライブイン水車に着きました。
今は広いアスファルト道があるので、ワザワザ真念庵への寄り道の為に遠回りする人も少ないでしょう。
この場所で遅い昼食を取りましょう。
ここには鯖さんの建てた立派な遍路石があります。
中々見かけない大きさの立派な平成の遍路石ですね。
トイレは入り口に休憩スペースも併設され、ここで野宿する方も多く見かけます。
小さなテントなら2個は入りそう。
ちょっとした丘の上にも東屋があり、そこも野宿ポイント。
ここで昨日買っておいたカップ麺を食べました。
カイはお気に入りの歯磨きガム。
“歯磨き”と言っても何の根拠もないみたいですよ。
必死に歯茎から血を出しながら食べます。
顔も野生化していますが、そんなに美味しいのかい?
愛護センターから出て来たばかりでご飯の量も沢山は食べれなかっただろうし、こうして硬い物も食べていなかったのでしょう。
今日も器用に両手か両足か分からない何かで挟みながらかぶり付きます。
可愛いですね!
ドライブイン水車で休憩を終えて市野瀬の隣の下ノ加江を目指します。
時刻は14時を過ぎてたくらいでしょうか?
この先のローソンで今晩のおかずを買わなくてはいけません。
ここのローソンが野宿遍路の貴重な物資補給ポイントとなりますが、今回我々はここに戻らず月山神社まで突き抜けるので、その先の補給ポイント情報を既に仕入れておりました。
左の道を進めばローソンへ直通ですが、遍路道は右の農道へ伸びています。
勿論、遍路道を選びました。
この先のローソンでは通し打ちの時、確か3日分の食料を買い込み、再びここに戻ってきてから39番札所に向けて更に補給しました。
この道は遠回りになりますが今日もローソンに寄りましょう。
ローソンで補給してから下ノ加江の町を過ぎ『お遍路仲間の野宿した所は何処だろう?』と探しながら歩きました。
それっぽい場所はありましたが、時間も無く立ち寄ることは叶わずでした。
現時点でカイの体力も持ちそうなので、今晩は予定通りの大岐の浜でキャンプ決定します。
現時点で残り6km、17時着予定です。
以前、ある事情により母と夜中に2人で歩いたこの道。
あの出来事が一気に母を信用する切っ掛けになった訳ですが、そんな思い出の道を特別な気持ちで歩いてました。
きっと前を歩く人は何も考えて無いでしょう。
愛護センターから出て来たばかりで遍路2日目のカイの疲れはどうなのでしょう。
今日は1日ずっと元気そうだし、四国まで来て沢山景色を見られているだろうか?
昨日はこの時間で既にバテてテントを張っていました。
時々カイの肉球をチェックしますが、半野生だったと思われるカイの肉球はまだアスファルトにやられてません。
驚くのは足の筋肉です。
ミニチュアの競走馬をイメージするような筋肉がハッキリと見えるカイ。
『この犬なら遍路出来る!』
四国病のある人が一目惚れしたのも嘘では無かったようです。
その半面、歩くたび、パタパタ揺れる耳がすごく可愛い。
今日1日、何故か俺に歩く速度を合わせ徐々に俺の方に寄ってきます。
『重い荷物を背負って必死に歩いてるのだから邪魔するな!!!』
そう思い、走って追い越すと走って並走して…。
この2日の遍路で予想以上に関係性が深くなったようですが、俺もやられたのかテント内で犬臭さを感じなくなってきました。
さて、野宿予定地はもう近く。
確かあそこにはシャワールームがあったはず。
暖冬の今年はいつもに増して汗をかきます。
きっと水シャワーでしょうが浴びましょう!
いや、そう言えば携帯シャワーを買ったのでした。
お湯を沸かしてシャワーを浴びましょうか?
一気に嬉しくなってきました!