土佐と伊予の境目にある標高270メートルの松尾峠での一夜が明けました。
昨晩は松尾峠にある東屋にテントを張りました。
遍路小屋(東屋)には大きく分けて4種類あると思う。
小…軒先って表現がぴったりな椅子に座れる幅のあるもの。
中…一般的な東屋で4人程度座れるスペースと、少しの広さがあるタイプ。
大…8人程度は座れる広さで、我が家のテントがギリギリ入るタイプ。
特大…宿毛の遍路小屋のようにとにかく大きい。
東屋にテントを張るメリットは雨や夜露でテントが濡れないことと、設営、撤収の時に椅子が荷物置きとして活躍することだと思う。
あと、少しの風も避けれるし、目隠しにもなる。
デメリットは床がコンクリートなので寝心地が固く、ペグも打てないためフライシートからインナーテントに湿気が伝わりやすく、間に空気の層も作れないためテントの乾燥に不向き。
雨で濡れないよりも夜露から守れることが大きくて、濡れないことと乾燥することもまた別の話です。
ペグが打てないということは前室が作れないのでちょっとした荷物置きが出来ないのが不便ですが、その半面、床がコンクリートなのはフラットなので真っ直ぐ眠れる寝心地や調理、物の管理(紛失防止)に向いている。
夜露で濡れたテントは本当に重たくなるし、再びテントを張るとき気持ちが良くありません。
それに、連日テントを張らないと気が付いたらカビになるので東屋は重宝します。
この場所での野宿が予想以上に寒かったというのは在り来たりで、写真でも分かる通り竹林に囲まれたこの東屋では期待通りホラーは一夜を過ごせました。
風が強く、真っ暗な山の中にずっと鳴り響く竹がしなり揺れる音。
葉が風に揺れる音、突然竹が折れる音。
そして、ずっと叫んでる何かの声。
「サルなのかな?」と言う悲鳴に似た声が長時間していましたが、
もうね、気になりませんよ、さすがに。
それよりも昨日に続き、狭いテント内で犬が邪魔だったり、生活環境の変化により不眠。
山の中での野宿なのだから動物パラダイスなのは当たり前で、一番怖いのは人間であって、幽霊なんて見れたら本当に幸運なことだと思います。
これだけ野宿や車中泊とホテルに泊まったりしていて心霊体験は全くありませんし、見たり感じたりしていた頃の俺は本当に精神状態の悪い時でありましたので、今となっては霊が見えるという人はそういう人だと思っております。
俺も霊と言われるものを見ていた時期もあるし、居て当然だと信じておりますが、あれは自分の心の状態が映し出すものだと思っていますし、仮に恐ろしいものがいても俺には護ってくれる強い味方が居てくれると信じております。
同行二人と言われる遍路でもありますしね。
一晩生き残ったら、本日生き残るための朝食を作ります。
ガン見してる奴がいますね。
よく見てください、一匹ではありませんよ。
写真右手前にガン見している鼻だけ写ってますよね。
こいつ等はあっという間に口からダラダラよだれが垂れるのですよ。
素直です。
今回は荷物が多いのでスペース確保のためケトルを置いてきたことを直ぐに後悔しました。
5個携帯しているチタン製のシェラカップで対応しておりますが、熱伝導や一度に沸かせるお湯の量で不便な思いをしました。
その反面、あるもので対応することは本当に楽しく、ケトルは軽量でありますが置いてきて良かったのかもしれません。
ケトルの形状と大きさってパッキングの時に結構負担なのです。
今朝はお決まりのお茶漬けとみそ汁です。
コロナウィルスの影響によって約2年間野宿遍路がストップしていて、このスタイルは久し振りとなります。
その頃買っていて、賞味期限も定かではない食料を今回の旅で処分出来て本当に良かった。
以前は賞味期限に神経質になっておりましたが、あまり気にしなくていいことを最近知りました。
過酷な旅ですので犬達にも出来る限りの栄養を送ります。
炊いたご飯に鰹節とささみのふりかけ、そしてドッグフードです。
ふりかけも結構重いし、犬の米と飲み水だけで本当に荷物が増えましたね。
朝の支度を終えた、ほんの少し戻って朝の宿毛湾を見に行きます。
いい天気ですね。
天気予報では篠山の日に雨マークが入っており、区切り遍路初の雨を迎えそうですが、とりあえず今日はいい天気に恵まれました。
松尾峠の下りは本当に理想的な遊歩道です。
一度も登ったことはないけど愛媛県側からのトレッキングはきっとお勧めですよ。
時折、木々の隙間から篠山らしき山が見えます。
俺もまだ篠山を知らないので「あれかな?あれかな?」と明日登る山を探します。
今回は本当に大冒険の遍路となります。
徐々に下ります。
本当に歩きやすい道。
これも開けた場所から篠山らしき山を写したけど非常に分かりにくい。
松尾峠を下り、車道に出ました。
遍路中の🌋お山さん🌋はいつもニコニコして歩いている。
しかし、歩みが止まると🌋お山さん🌋になる。
ずっと四国を歩いとけばいいのにね。
🌋お山さん🌋「えっ?いいのぉ?」
峠を下ると少しの民家と畑の集落に出ます。
車や人のいない道って本当に歩きやすいし、気を使わないから楽です。
矢印が示す道とは違いますが、出来る限り遍路道を進みます。
アスファルトよりずっと歩きやすいですよ。
場所によっては霜がおりてました。
そりゃ寒いはず。
松尾峠では霜を見かけませんでした。
民家が近づいてくると立派な遍路石がいくつか立っておりますが、これはこの場所に集められたもので、松尾峠の麓にあったものや、橋げたとして使われていたものもあったような・・・
今回の旅では出来る限り遍路石を探しながら歩くことにします。
「これより くわんしさいへ 三り」
「従是西伊豫國宇和嶋領」
松尾峠にある文字と島と嶋が違う。
松尾峠を下り、いよいよ伊予( ´艸`)