遍路

篠山へ向かう初めての道 区切り遍路33日目 ①

一本松温泉近くでの寒い夜が明けました。

やはりこの時期はテントが凄く結露しますね。

昨日に続き、今日も眠れなかった。

狭いテントの中で犬が結構邪魔なのと緊張もあってのことでしょう。

不眠症からの苦しみからは随分と解放されましたが、まだまだその名残は残っております。

 

クウは必死にどちらかの寝袋に潜り込んできます。

カイは寝袋には入らずダウンをかけても寒いのにそれを自分の下に敷きなおし、その上でトグロを巻いて寝ます。

カイにしてもクウにしてもトグロを巻いた犬って本当に邪魔で、何かに寄りかかる習性があるのか体重まで預けてくるので凄く重いし、背骨が当たって痛いのです。

最悪なのは寝袋に潜り込んでトグロを巻くやつ。

伸縮性に優れた寝袋を使ってるとは言え、この使い方は異常なうえにトグロまで巻かれると本当に邪魔。

その部分だけピンと張ってしまって、空気を含めないダウンの寝袋に保温性などありません。

しかし、言葉が離せない犬の過酷な旅なので、朝生き残ってたらホッとしますね。

霜まで降りるほど寒かったですから。

野宿するうえで水道の有り無しってかなり重要で、飲み水や調理に使う水、食器を洗う水、そしてその場所まで水を背負わなくていいことが、かなり楽になります。

今日はあの篠山なので飲み水は少し多めに準備します。

喉が渇かない時期と言うのが救いだけど、余ったら他に使おう。

一応、篠山山頂付近に豊富な山水の情報を2ヶ所ほど得ております。(1ヶ所は遠い)

水を背負わず登れるって素敵。

寒い時期の動き出しはほかの時期に比べて1時間~遅くなりますね。

寝袋から出るのが本当に辛いし、寝袋から出ても今度はテントから出たくない。

嫌々動き出し、米を炊き、皆でしっかりと栄養補給します。

寒い中どうにか準備完了。

直前まで干してたけど全く意味が無く、湿ったテントが重い。

テントをたたみ、ザックに詰める俺たちを「まだ?」と見つめる2匹。

俺のザックはまずテントを詰めてからその他を上に乗せていくのでテントを畳まないことには何も出来ません。

特にクウは早く歩きたくて「ピーピー」言って煽る。

 

今に見とけ、今日は山だ。

浅い睡眠を12時間以上取ると言われる犬ですが、テントに入ってからずっと寝ているので、それくらいは取れているでしょう。

一本松温泉は篠山側の遍路道から2,5kmほど外れていたので、まずは昨日の分岐点まで戻ります。

我が家にとって1時間以上となる往復5kmのロスですが、昨日の風呂とコインランドリーの大切さには代えられません。

次のコインランドリーは早くても3日後の宇和島で、風呂は明日入れます。

因みに本日の出発は篠山に登るというのに、9時でした…。

初めて歩く道に目をまるまるします。

細かくスマホに落とした地図を確認して遍路道と照らし合わせます。

イエローブックや外国人向けの遍路地図に書いてるのが遍路道とは限らないのです。

勿論、今は無き道の方が圧倒的に多かったですが、それを探しながら歩いた旅でした。

増田川と中組(増田?)の集落が見えてきました。

ここまでは山間の車道を淡々と歩いてきました。

初めて歩く道は何もかもが珍しくワクワクします。

一部ショートカットの遍路道。

この前歩いた久万高原町の槙の谷ルートによく似ていますね。

増田川を渡ると徳右衛門遍路石と揃えられた靴。

「これより さゝ山へ三り」とその横に小さい「左 遍んろ」

そして、進行方向とは違う右の道に自動販売機が確認できる。

 

実は今回、俺が最も目で見て確認して伝えたかったことがここにあります。

何故、現代の遍路と言われる人達が見向きもしなくなった道に「遍んろ」と書かれた遍路石があるのか。

この石に刻まれている言葉こそ真の遍路だと俺は信じています。

 

俺は遍路をしに四国の地を歩きます。

俺は八十八ヶ所参りをしているわけではなく、遍路をしているわけです。

ここから先にいくつもの遍路道と、その古の道しるべを俺は見ることとなります。

所詮、10年、20年、30年…程度の形の変わった現在の遍路と、数百年前からそこに存在している「遍んろ」の文字。

勿論俺は文字を信じます。

橋を通り過ぎ、ほんの少しの登り道。

その途中で地元のおっちゃんと会話をしました。

「この先は右折して新しい道を行った方がいいかも。旧道はアスファルトじゃないし、通れるかもわからない」とのこと。

その通りに少し登ったら篠南トンネルへ向かう綺麗で大きな道が横を貫き、その奥に恐らく今まで歩いて来た旧道の続きが確認できた。

その旧道は一見、私有地に入っていくように見え、暫く悩んだが俺は遍路なのでその道を進むことにした。

すると民家に見えたその場所は様々な動物を飼育している奇妙な建物だった。

本当に何種類の鳥が飼育されているのだろう?と思うほど、奥の崖にはヤギだってこっちを見ていた。

途中、真っ直ぐ進む林道と大きく右にカーブする分岐があったが、自然に伸びているように見えた右カーブの道を選択した。

その先にもいろんなものが置いてあり、ここが果たして旧道か?とも迷ったけど恐らく正解。

奥にはゴンドラも。

ここは一体何の楽園なのだろう?

近道より、ぐるっと回って遍路道。

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