車中泊旅

恐山のクライマックス 新潟・東北旅6日目⑤

恐山地獄めぐり 新潟・東北旅6日目④からの続きです。

 

静寂の中、恐山の地獄をいくつか歩き、後半に差し掛かります。

澄んだ“血の池地獄”に「綺麗だ…」と、環境が綺麗だと心も洗われます。

賽の河原地蔵堂があったので中に入りお参りします。

「おん かかかび さんまえい そわか」と、四国遍路で覚えた地蔵菩薩の真言を唱え、中にあった故人の遺品でしょうか、着衣などに亡くなった人、そして亡くなった人を思う残された人の想いを感じ取ります。

さて、天国へ参りましょう。

地獄めぐりの先にある宇曽利山湖です。

ずっと、ずっと女性が宇曽利山湖を見つめていました。

本当に、ずっと。

誰も居ない宇曽利山湖を写真に収めたいけど、ずっと湖を見入ってしまうその気持ちが分かるような、そんな美しい場所であります。

寧ろ、湖を見つめる女性が写った方がいい写真になるかもしれないですね。

思うよりずっと大きいカルデラ湖です。

その周りを囲む深い森がまた、シカやクマがぽっと出てきそうな大自然を感じさせてくれます。

言葉は必要ない、そんな静寂のなか、何故こんなにも自分の死後を見つめ、感じてしまうのでしょう?

恐山は“死者のいる場所”とも言われ“イタコ”を介して会話をすることが出来ることも有名です。

いつかここに来た記憶が懐かしさを感じているのでしょうか?

東日本大震災の供養に建てられた地蔵さんが湖の畔にいらっしゃいます。

残念でありますが、ここの目の前でずっと立ち話を続ける女性達がいました。

先ほどの湖畔に立つ女性を待っているのでしょう。

ずっと、ずっと、ずっと…いつまでも止まぬ立ち話…、いえ、退かぬ立ち話。

日本でよく見かけるようになったこの光景にとても残念だと感じておりますが、いつまでも退いてくれる気配がありません。

かなりの圧力をかけてやっと退いてくれましたが、それもほんの数歩移動しただけ。

何故…、分かりませんか?

この場を借りて、立ち話について考えていただけるとありがたいです。

 

俺は父から受けた過剰な躾と呼ばれる虐待にも良かったことがあると思っています。

「気を使いすぎる」

「過剰適応する」と言われますが、背中に目が付いてるほど、周りには細やかに気を配ります。

周りに気を使えない人よりは、こんな自分で良かったと思います。

身に染み付いた一つとして、絶対に人の前は横切りません。

どうしても目の前を通らないといけない時は、頭を下げ、右手を上げる、意識せずとも身に染み付いてしまってます。

湖を過ぎて恐山菩提寺方面へ戻ると、再び地獄巡りの中を通ります。

こちらは重罪地獄ですが…、長年歩かせていただきました。

そして、地獄とはこの世にあるものと理解出来ました。

お陰様で、今世を真面目に捉えることが出来るようになり、“やりっぱなし”思考から解放され“己の責任”を手に取り戻し、輪廻転生をますます理解することが出来ました。

「これからも重罪地獄を歩かせて下さい」と口に出しお願いします。

それ位が俺にはちょうどいい。

次は金堀地獄です。

ください。

もっと金ください。

 

とは言え、逮捕経験から始まったアルコール依存症による精神病院入院と離婚。

それが切っ掛けとなり真剣に生きることを始めて10年目。

地獄を歩いた経験が土台となっているのでしょうか、お金の見通しも随分と立つようになり“安心”を手に入れられるようになりました。

命の流れに抗わず身を任せると、必要な物はそこに落ちて来る、生きるってそういうことだと痛感しております。

自ら地獄を好み歩いていた頃に想像も出来なかった望んだ世界は、決して力む必要の無い世界ということでした。

恐山のクライマックスはいつもここです。

一番高い場所にポツンと建つ地蔵さん。

何処か、厳しさを、悲しさを、優しさを感じる地蔵さんのメッセージは“見守る”と言うことなのでしょう。

最大の愛であり、最大の厳しさであります。

“言ってもらえるうちが華”

何も言われたくないとプライドが邪魔をして、やっと念願が叶い、人から言われなくなった。

しかし、そこに残ったのは“恐れ”でした。

 

人は何も言わなくなった。

人は黙って(笑って)俺を見るようになった。

全てを自分でしないといけなくなった。

そこには俺の経験も自信も存在しなかった。

無力に気づき、「助けて…」と言った時には、今までの行いにより見放されていた。

しかし、この経験が俺を強くした。

“見守る”って、凄く恐ろしく、凄く寛大だ。

さて、地獄を歩き汗を少し掻いたので、楽しみにしていた温泉に浸かりましょう。

何より、この地に湧き出る自然なエネルギーを身に沁み込ませたい。

温泉の作りは至ってシンプルです。

入浴時間は3分~10分とされており、目の保護からお湯で顔を洗うのも禁止されている本物の温泉であります。

お湯は熱めですので水を足しながら入りますが、エネルギーが薄まるようで勿体ない気もします。

ここに入るのは3回目になりますが、これだけ硫黄成分の強い温泉なのでタオルをお湯に付けることも勧めません。

付けてしまうと硫黄の臭いが洗っても洗っても取れないほど強力な温泉なのです。

と、さんざん注意したのに付けた人がいて、おまけにそのタオルと他の衣類を一緒に洗濯してしまったので我が家の衣類は暫くの間、硫黄臭が取れませんでした。

俺「お前、温泉に付けるなって言っただろうが!」

 

例の人「えへっ」

 

じゃあねええよ!!!!

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