遍路

食遍路 区切り遍路41日目①

まさかの展開に涙 区切り遍路41日目のはずだった日からの続きです。

 

前回、まさかの遍路途中で仕事に呼び戻されると言う悔し涙の続きが意外にも早く訪れました。

移動日と車の回収を含めて残り4日で帰宅となった前回の旅にちょっと利子がついて、実質3日はフルで歩ける5日間の旅です。

連休の前日が夜勤だと、朝に帰ってきて仮眠して移動日に当てられるので、身体はキツイけど旅と言う意味ではちょっとお得ですね。

大分県の佐賀関港まで高速道路(基本片側1車線)を突っ走って約3時間30分。

そこから70分かけて船で愛媛県に渡り、佐田岬から今治を目指して走ります。

松山市内手前からちょうどラッシュ時間に入り、大きく時間を奪われ、松山城下の噂の”札ノ辻”に車内からこんにちわ。

今日の宿泊地を悩んだ結果、今治までは走らず松山市北条の前回野宿した浜辺へ向かうことにしました。

そして21時頃、暗闇のなか浜辺にテントを設営して明日に備えて眠りました。

 

前回の旅からテント泊で不眠が続いている俺はやっぱりこの日も不眠…。

遍路初日の朝は自炊ではなくコンビニで済ませ移動に備えます。

 

前回の遍路の中止地点である墓地まで行き、お山さんと犬2匹と別れる。

俺は今治駅へ車を停めに行き、今治市街で合流することにした。

 

俺は前回、駅前の温泉に行ったり、車を回収しに今治駅まで歩いていたので、お山さんと合流するまでの道中に遍路石がいくつかあることを知っていた。

だから、

俺「俺と合流予想地点まで〇〇に”どんな”遍路石が”何個”あるから写真に撮って来てね」

と、具体的な場所と個数をお山さんに伝え、

俺「離れて行動になるからいつでも電話に出れるようにしていてね」

と念を押して墓地で別れた。

 

しかし、車を駅前の駐車場に停めて現在地を聞こうと電話を何回掛けても電話に出んわ。

本当にこの人って期待を裏切らないと言うか、人の話を聞かない。

車を停めに行くのも、忘れ物や、電気の消し忘れなど神経を使うものなのに、どっちの役割ならこの人に出来るのだろう?

 

さて、どの辺だろうと歩き慣れた今治を少し歩くと、向こうに”はしゃぐ”犬2匹を連れたが歩いている。

珍しく大人しいカイが飛び跳ねて喜びながら歩いている。

 

俺は電話を掛ける。

 

出ない。

 

「まぁいいや」と分かりやすい交差点で待つ。

 

そして合流後、俺は聞いた。

 

俺「立派な遍路石があったやろ?写真撮った?」

 

お山さん「無かったよ」

 

俺「珍しい遍路石あったやろ?」

 

お山さん「無かったよ」

 

もういいわ。

 

その日のつぶやき

 

朝の交通量の多い今治市街を歩いて55番札所南光坊に到着した。

「山門から入ろう」と少し大回りして、”あの方”のいなくなった南光坊を寂しく感じた。

そう言えば、春遍路か…。

 

俺「桜が綺麗だ…」

 

多分、普通の人には分からない一連の流れを感じなおす。

季節感を取り戻すこと、感情や感覚を取り戻すこと、スピリチュアリティの回復が、

アルコール・処方薬依存症でひきこもりが長かった俺の課題。

あれから9年、やっと色んな事が感じられるように、季節も感じられるようになってきた。

 

春は花が咲き、木々が美しい緑になって、梅雨が来て、あの暑い夏が来る。

夏には美味しい野菜が次から次に生って、凄い夕立が来て、お盆が過ぎると暑さが和らぎだし、

秋は紅葉に感動し、冬はどこか切なく、灰色の世界になっていく。

 

人には普通であっても、まだこの世界に入って9年目の俺にはしっくり来ないことも多いんだ。

 

年始は鬱になって、梅雨でまた鬱になって、夏は暑さで何も出来なくて、秋になって楽になったと思ったら、冬になって冬鬱になる。

身体や精神面のパターンもかなり掴めるようになってきて必要以上に苦しまず済むようになっている。

55番札所を後にして、近くのお寺もちょっと覗いて、56番札所を目指す。

道中にはお世話になった”あの方”が作ったであろう木の道標が何か所も見られた。

母も南光坊には特別な思い出があるから必ず写真を送る。

 

56番札所へ向かう住宅街を歩いていると、後ろがボソボソ何かを遠回しにアピールしている。

 

俺(んなことより、さっさと歩けよ…、まぁいいや、せっかくの旅だし、四国にはお金を積極的に落とさないと…)

歩いていると、とにかく「食わせろ」と言い出す恒例行事。

そして狭い店にデカいザックを背負ったまま何故かいつも入って行く。

 

因みに、この前は51番札所の焼きもち。

他、パンとか、パンとか、パンとか、甘いもの。

歩いている俺は遍路を感じ、過去、現在、未来の自分を照らし合わせて内観しているが、この人の頭の中はきっと食べ物で埋め尽くされているのだろう。

 

この店の焼きプリンがお気に入りになったのは言うまでも無く、旅を終えた後も「買いに行こう」とワザワザ閉店ギリギリに戻らされたのは数日後の話。

その日の俺(俺はたった今、お前を迎えに”ここ”から小松に走ったのに、プリンの為にまた”ここ”まで戻るんかい…)

56番札所へは今治市街の狭い住宅地を歩いていく。

国道を渡ったりと、ちょっと遍路っぽくない地域だが、この街を囲むように6ヶ所のお寺が点在している。

今治のどこからでも見える58番札所はあの山の上。

いつも太陽に照らされ山の中でピカッと光っている。

途中で俺が朝撮ってきて貰いたかった遍路石がここにもあった。

これはいつの時代の遍路石なのだろう?

今治で何か所か見かけたけど、今までは気付かなかったなぁ…。

そうこうしながら55番札所より3km離れた56番札所に到着。

ネット情報ではペットの立ち入りを禁止ではなく”遠慮”して貰いたいような記述を見かけたので交代でお参りした。

入口横で犬と待機していると、まぁまぁな数のお遍路さんの姿を見た。

少しずつ四国にも人は戻り、コロナの影響も落ち着いて来たのだろうか?

俺が四国を回りだした頃は団体バスを見かけるのが普通で、その台数は何台も駐車場に止まっているものだった。

是非とも、今くらいでお願いします。

ここまで56番札所奥の院について話しながら歩いて来た。

ビーニャさんとは以前来たことあるけど、お山さんは「行ったこと無い」と言う。

何でもかんでも「テレビで紹介された」と言えば「凄いんだ」となるが、決してそんなことは無く、

しかし、霊場巡りをしている訳だから、八十八ヶ所以外の世界もしっかりと見直そうと少しの遠回り。

歩いてすぐそこだけど、遍路石には指さしと「おくのいん」の文字。

これを見れただけで満足だ。

そして目に入った56番札所奥の院の龍泉寺。

決して大きいお寺ではないので俺は入り口で犬と待ち、お山さんだけ手を合わせに向かいました。

 

お気づきの方もいらっしゃると思いますが、どこの寺の写真もございません。

 

ございませんよ。(興味)

 

 

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