3巡目

朽ち果てた札掛大師から神南堂休憩所へ 区切り遍路14日目②

 

どんどん朽ち果てて行く札掛大師を後にして札掛ポケットパークを目指した。

ビーニャ「ったくこの店は何で…」

ビーニャ「ブツブツ…」

一度嫌うとトコトン嫌ってしまうこの子に嫌われた、途中にある店も悲しいね。

我々はやっとの思いで札掛ポケットパークに到着した。

この頃には日差しが強くなり出し、おまけに車通りの多い道を歩くストレスと、意外と身体に負担が多い峠の下りに疲労が目立ち出した。

札掛ポケットパークには東屋が2ヶ所あり、広さも申し分無く、トイレもある。

野宿遍路で時に東屋で寝泊まりさせていただく身として、人の理解によって許されている東屋利用に感謝しなくては…。

四国は特に寛大で、ありがとうございます。

水を補給しようと思うと『えっ?蛇口の回すところが無い!』。

『あっ、こっちも』と、辛うじて1ヶ所あった水道で水分を補給します。

まだまだ先は長いので、ここではハイドレーションにも1,5リットル積んだ。

大洲城に来る頃には完全に疲労困憊だった。

ビーニャがとても心配している。

あと4kmで十夜ヶ橋、そこから4kmで今日の目的地。

もう無理!無理!無理!

川を見ると、今すぐにでも川に飛び込みたくなる。

夏のピーク程では無いが、それにしても暑く、この暑さが俺の体力を奪っているのか。

風呂に入りたい!!!!!

必死な思いで交通量の多い道を歩き、16時になる少し前に別格8番札所である十夜ヶ橋に到着。

ビーニャ「御参りする」

俺「今回は1人で行ってきて。橋の下で休んどく」

我々の馴染みの深い十夜ヶ橋も本堂無き今、この前も来たし…、と本日は休憩のみをさしてもらった。

今日の十夜ヶ橋は参拝者も多かったが、歩き遍路は一人も見かけない。

もう風呂は諦めてここで寝ようかと、それほどまで疲れ果てていたが最後の力を振り絞り十夜ヶ橋を出発する。

いや、もう最後の力もない。

ビーニャと会話もせず必死に歩き、ふと顔を上げると、

俺「ああっ!」

Sさんが手を降ってる!

朝送ってくれて、夕方もわざわざ会いに来てくれたんだ!

冷えた栄養ドリンクと氷をお接待していただき、先回りして今日の野宿地に氷とか置いて来てくれると。

Sさんとお別れして少し歩くと、またSさんの車が目の前に停まった。

と、思ったら降りてきたのは男性だった。

勘違いだと思っていると、

男性「これで何か飲んでください」とお接待。

少し話をすると、別格10番興隆寺と近い関係者さんとのことだった。

知ってる!知ってる!その人知ってる!

会うたび忘れられているけど、何度もお話をしている女性の兄弟の方でした。

ありがとうございました!

そして、必死な思いで今日の目的地に到着。

神南堂休憩所です。

この遍路小屋は目の前の建設会社様が善意で管理されていて、なんと、

五右衛門風呂があります。(俺スリム)

とりあえず到着後は疲労により倒れます。

挨拶しなくては…、いえ、倒れます。

少し休んだ後に事務所に挨拶に行きました。

お風呂利用の許可も頂こうとすると「掃除から焚き付けまでやっとくね」と、ゆっくりされていたのに風呂の準備までしていただきました。

その間ゆっくりさせて頂きます。

ビーニャ「これ後で拾っとこう」

テーブル下には2つのペットボトル。

その1つには煙草の吸い殻がたくさんが入っている。

後にビーニャの手により掃除されました。

そして、目的の五右衛門風呂へ。

もう、最高でした。

ダメージは残ったけど、今日の精神的な疲れが全て吹っ飛びました。

2人して何度も「最高!ありがたい!」と連呼。

一息つき、風呂で温まりながら頭に浮かんだのは『お遍路仲間のアラフィフさんもこの風呂に入ったんだよなぁ!』と。

同じ釜の飯を食べ、同じ風呂に入り、同じ場所を借りて眠る。

本当にこの御縁に感謝しながら今日は1日歩いてました。

そればかりではなく、Sさん、興隆寺関係者の方、神南堂休憩所の方。

ビーニャ「今日はいっぱい納め札渡せた」

と言うほど、今日はたくさんの方に支えられてここまで辿り着けたと痛感しています。

本当に今日はキツかった。

今日で辞めようと真剣に思った。

そんな時、手を振り現れたSさん。

今回は44番で打ち終わるその後の交通まで調べて頂いてました!

不思議です。

遍路は本当に不思議です。

夜のテントは意外に過ごしやすいかな?

御休みなさい。

明日はきっと体がバキバキです。

食欲も全くありません。

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