神南堂休憩所から内子を歩く 区切り遍路15日目①からの続きです。
昼食を終えて歩き出します。
近い距離に千人宿大師堂という、以前の遍路の時に香港女性が泊まったり、ビーニャが豪快に転けた思い出の地があります。
その手前まで歩いていると隣に車が止まる気配が。
そして「こんにちわ~」
振り返るとそこには昨日も御世話になったSさんの姿が!
うわぁ!今日も来てくださったんだ!
早速アイスのお接待!
千人宿大師堂まで移動して、塩分補給のタブレットとタルトのお接待!
更にアイス2本追加!
最後にお茶2本と水2本のお接待!
大師堂で3人で話ながら水分補給と御菓子を食べました。
明日の予定を話し、
Sさん「ゴミ持って帰りましょうか?」
お接待づくしで御言葉に甘えて今日は別れました。
実は昼食に焼そばUFOを食べたビーニャ。
どうしても暫く店が無い状況で食料を買い込む時は軽量のカップ麺が多くなり、ザックにぶら下げるゴミの中にある食べ終わったUFOが揺れるたび、その香りが匂って来るのは我が家の恒例だった。
本当に助かりました。
それにしても懐かしい千人宿大師堂です。
何かと交流が長く続いた香港女性が1泊お宿を借りたこの場所。
綺麗で布団まであって有り難いですね。
その千人宿大師堂のすぐ先には楽水大師があります。
そうです。
もう、お分かりですね?
恒例ですね。
ビーニャ「うん、ここのは美味しい!」
ここまで来たら今日の目的地である遍路小屋内子はもう近い。
予想以上に暑かった今日は、ずっと綺麗な川を見ながら歩き、川に飛び込みたい気分だった。
そんな事を考えながら歩いていると、軽トラに何かを積み込み作業しているおじさんが、
おじさん「ちょっと待っといて」
そして、
おじさん「はい、お疲れ様」
と、渡されたのはなんと!
ブドウでした。
うわぁぁぁぁ!凄く嬉しい!!
早速食べてみるとお世辞抜きで美味しい!
ビーニャと暫く食べながら歩きました。
俺「昨日もそうだったけどさ」
ビーニャ「うん」
俺「Sさんが現れた後ってお接待がすぐ来るよね」
ビーニャ「そうだよね」
俺「Sさんって幸運の女神じゃないの?」
そんな話をしながら歩いていると、また横に止まる軽トラ。
綺麗なおばちゃんから渡されたのはマスカット!
これもまた旨い!
俺「やっぱり幸運の女神だね」
そのおばちゃんと遍路をしたら夢が叶った話に御互い「不思議だよねぇ…」と。
勿論、俺の叶った夢とは、こうして旅が出来るようになるまで精神疾患が落ち着いたこと。
完治は無いからこれからもこの状態をキープ出来ればいいし、他にもたくさん出来ることが増えた(夢がかなった)。
そして、鴇田峠と農祖峠の分岐点に到着。
鴇田峠…ひわた(だ)のとう
農祖峠…のうそのとう
2つを繋ぐ畑峠…はたのとう
内子から久万高原町への古来のルートは、小田から畑峠、下坂場峠、鴇田峠の順だったそうです。
今回はこの分岐点を前回とは違う鴇田峠に進みます。
ゴールデンウィーク時に一緒に歩いたお遍路仲間であるアラフィフさんと別れた後、農祖峠に進むつもりが鴇田峠に進んでしまったアラフィフさんとのやり取りでGoogleアースを見ながら以前を思い出し、追いかけた鴇田ルート。
それ以来歩きたくて歩きたくて、意外にも早くそのチャンスは訪れた!
とは言え、今日はこの少し先の遍路小屋まで。
いや、本当に体力がダメなんです!
必死にシャワーを思い浮かべながら、
遍路小屋内子に到着!
あります!あります!目的のシャワーがあります!
飲めなくていいんです!
予想はしてたけど、沸かして料理に使いますので!(もしかすると川の水です)
早く水のシャワーでいいので浴びさせて下さいお願いします!
遍路小屋に荷物を置き、早速、
俺「シャワー浴びてくる!」
着替えから何から用意して、ワクワクとシャワーに向かいました。
俺「えっ?」
回せど、回せど、反応の無い蛇口。
俺「ビーニャさん、水が出ないよ!」
俺「ちょっと!ビーニャさん!水が出ないよ!」
俺「ビーニャさん!」
以前、車で来て確認した時は元気よく出てきたシャワーの水。
しかし、今回は蛇口を捻っても捻っても捻っても、ウンともスンとも言わない。
俺にとって浴びれると信じてたシャワーが使えないのは大惨事です。
俺「よし、ビーニャさん、先進もう!」
時刻は4時過ぎ、アラフィフさんの泊まった場所までは約6kmだろうか?
今日から得意の股ズレも起き、その上、体力も無い。
先に進むことを諦めざるおえなかった俺は、
俺「ビーニャさん、俺、川で泳いでくるよ」
そう言って川に下りていったのだった。
その先で見付けた橋の下の環境に、こちらでテントを張ろうと移動して、川で泳ぎました。
遍路人生始めて、川で泳ぎました。
魚さん、お邪魔しました。
今日1日、川を眺めながら歩き、川でキャンプしたいと思ってた夢が叶った。
そして、夕食の準備をしようと米を取りだし気付いた。
ここ、水が、出なかったんだった…。
どうしよう…。
暫く悩んだ後、思い出したのは、幸運の女神の存在。
そう言えば、俺、水貰ったんだった!
お陰様で今日もご飯食べれて、川で泳いで、テント張れて眠ることが出来ます。
川を見ながら炊飯。
そして、あの感覚。
何故、1日必死に歩いた後のこの時間って、時間の流れがゆっくりしてるのだろう?
日常が忙しいのか、忙しくしてないといけない社会なのか。
非日常だから感じれることがある。
疲れた…。
今日も疲れた。
御休みなさい。