市野瀬遍路道から熊井隧道 区切り遍路22日目②からの続きです。
伊与喜から熊井隧道を抜け工事現場に近寄ります。
今日は日曜日なので工事はしてませんが、ここから先には入ってはいけないようです。
向こうに一人は通れる通路があるのに。
もちろん、ぼくたちは、せんせいのいいつけをまもって、とおりませんでしたぁ。
その先にはビーニャの思い出の踏切があります。
ビーニャが踏切を渡ろうとすると、
踏切『カン!カン!カン!カン!』
ビーニャ「ぎやぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
御決まりの両手を広げ、背中を反らし、大袈裟にこちらに向かって走ってくる。
普通に走った方が早い…、それにしても、今回の悲鳴は酷かった。
野焼きしてたおじさんびっくりしてたやんけ。
何でこの人、電車通るたび撮影するんでしょ?
後で見もしないくせに。ぺっ!
その先の“道の駅なぶら土佐佐賀”で御決まりのアイスを食べますよ。
もうすぐそこに佐賀の町がありますが、そこを過ぎたら今回の区切り遍路のゴール地点である佐賀公園があります。
道の駅にはお客さん多く、なんかたまたまお笑い芸人も立ち寄ってたそうです。
周りが「キャー、キャー!」と手を降る。
俺「誰あれ」
ビーニャはトイレに行ってて聞けません。
結局、どぶろっくって人だったようです。
有名になると、車のドアの開け閉めもしてくれる人がつくんですね。
俺は寝床から、飯から、移動から、何から何まで自分でする旅を楽しんでますよ。
佐賀の町を歩き、河口が見えてきました。
そして、すぐに海に出ます。
海大好き!俺の好きな海沿いの道が始まりますよ!
と、思ったらすぐそこがゴールです。
6日間テント生活で歩きながらゴールの佐賀公園まで来ました。
広大な公園に芝生や東屋、トイレや水道もあります。
東屋には既に自転車旅の外国人カップルがいました。
俺達はゴール地点の佐賀公園から、車を置いていた中村駅まで電車移動する予定ですが、目の前の佐賀公園駅発の電車の時間が40分ほど余りました。
折角ですので佐賀公園の展望所へ行き時間を潰します。
そこにあった四国の地図と照らし合わせると、今回の区切り遍路で随分と遠くまで歩いて来ました。
今回は約145km歩きましたが、1日26km歩いた計算になります。
荷物が重いので目標の佐賀公園までは無理かと思いましたが、なんとか来れました。
前回の久万高原遍路も合わせると、距離的に3巡目の半分来たくらいでしょうか?
時折うっすらと見える室戸が自尊心を高めてくれます。
さて、そうしていたら電車の時間になりましたので駅に向かいます。
海の遍路道の巡航船2ヶ所を除けば、久し振りの乗り物に乗ります。
遂に、この旅が終わります。
ビーニャとハイタッチして、御互いを称え合います。
初めてとなる添えみみず遍路道や仏坂を本当に頑張ったと思いますし、歩き遍路の経験が少しずつ積めてきてます。
勿論、俺も。
いざ旅が終わるとなるととても淋しいものです。
高知の海が恋しくなり、ギリギリまで太平洋を見ていました。
本当にありがとう、四国。
ありがとう、高知。
ありがとう、遍路。
本当に、本当にありがとう。
日も暮れ、到着した中村駅行きの電車にビーニャが乗り込みます。
6日間大きな荷物を背負い、本当にお疲れ様。
少し電車に揺られると、車を停めている中村駅に着きました。
毎日が凄く濃かったこの旅もこれにて終わりです。
南無大師遍照金剛
そして、俺をここまで回復させてくれた薬師さん。
おん ころころ せんだり まとうぎ そわか
過去の自分と対話の旅。
反省と、成長の実感の連続。
過去に出来なかったことが今出来ることに幸せを感じ、感謝の気持ちに満たされます。
それが更なる回復へのエネルギーとなり幸せの連鎖が起きています。
アルコール依存症から始まった生き直しの旅。
あの時から、今でも、俺の生き方は変わり始めてます。