増田川を渡ってから峠になりますが、我々は篠南トンネルの新道ルートではなく、旧道を進んでみることにしました。
動物がたくさんおり、奇妙なものがいっぱいの小屋の横をくねくねと進んだら、いよいよ舗装されていない道に。
真下に篠南トンネルへ向かう綺麗な道が走っていますが、暫くはこの道を見下ろしながら沿う形で旧道を歩きます。
ここまで休憩をとらずに進んできたのでソーラー発電しながら休憩をとります。
我が家の旅の電力はすべてソーラー発電で賄い、充電プラグも持ち歩いていません。
休憩を終えて進むと徐々に登り始め森の中へ進みます。
そんなキツイ登りではありません。
途中で篠南トンネルの上を大きく迂回します。
下の谷間には篠南トンネルへ向かう綺麗な道が見えます。
正しい遍路道が現存しているかはわからないけど、詳しい遍路地図を見るとこの篠南トンネル上を歩くルートは間違いでしたね。
手前で山に入っていく道があるようですが見つけられませんでした。
まぁまぁ登りました。
向こう今日歩いて来た集落が見えます。
そして峠へ。
ここからも下のトンネル出口にストレートに向かう道があるようですが、見つけられずでした。
そして、この峠からの下りがとても遠回りになりました。
新しい道に合流するまで大きくクネクネと凄く遠回り。
途中に遍路道を思わせるものも見つからなかったので、旧道を選ぶと恐らくトンネルルートの倍以上の時間を使うでしょう。
感覚的に言えば3倍?5倍?遠回り。
遍路道が現存していたとして、その道を歩けるならばこの道もありですが、正確な情報を得ているわけでもありません。
次回があればリベンジしますが、恐らくトンネルルートを推奨する結果となるでしょうね。
合流地点から振り返るとすぐそこに篠南トンネル。
その横の道がきっと峠からの近道。
今後に篠山を控えている以上、調べる時間も体力もありません。
新道の下には旧道がずっと走ってるけど下りるのも大変そうだし、道路も木が生えてたりして非常に歩きにくそう。
篠南トンネルからずっと坂道を上り下りしている自転車のおじさんがいたけど体力作りかな?
坂を下りきって県道332号線と合流しました。
このT字路を左折すれば、あとは篠山に向かうだけでしょう(と思い込んでいた)
ここはどうやらサイクリングコースのようですね。
T字路の角に「是〇右観自才寺 4里 明治10年」(裏)
その表に新し彫ったように見える「是ヨリ右観自在寺 4里」の文字。
実はこの道しるべは逆を指しており、かつては川の右岸の旧道沿いにあったのが暫く行方不明になった後、川で発見されて現在の位置に設置されたそうです。
右に行くと観自在寺ではなく篠山です。
篠山を示す道しるべの何もかもが嬉しい。
辛さは別にして「やっと、やっと行けるんだ!」って思う。
色んな国の道しるべ。
ゆっくり。
まんまんちー。
パンニハムハサムニダ。
スローリー。
外人来ないやろ。
正木の集落が見えてきました。
篠山に近づいて来てます。
ワクワク!
ふと思い出した昨日の話。
日が傾き一本松温泉へ向かう我々は急な坂道を登っていた。
すると目の前から2本の竹杖をついて下ってくる老婆。
老婆「今日は何処に泊まるの~?」
俺「篠山に向かうので一本松温泉で風呂に入ってから何処かで野宿します」
老婆「あらぁ、家泊まっていったらいいのにぃ~」
その時俺は既にピンと来ていた。
老婆「家泊まっていったらいいのにぃ~」
老婆「家泊まっていったらいいのにぃ~」
会話の中で何度言われただろう。
このデカい犬2匹が見えないのだろうか?
だから俺は確信をつく質問をする。
俺「そこの宿の人ですか?」
老婆「そう!家泊まっていったらいいのにぃ~」
お接待的なノリでセールストークを続ける老婆。
500mほど先にその宿があるのを俺は知っていたので、それがお接待ではないことはわかっていた。
俺はサラッとそのノリで言って欲しくない気持ちを感じながら老婆と別れた。
名残惜しそうに俺達の後姿を見る老婆。
老婆「皆、家に泊まって荷物を置いて篠山神社を打ち戻るんだよ」
俺(それも知っている。しかし俺は篠山神社へ向かってそのまま満願寺へ篠山道を歩くから戻ってこないんだ!)
いや何より、宿泊費が発生するのに「家泊まっていったらいいのにぃ~」ってサクッとしたノリが今でも忘れられない。
いやこれはその人を批判する意味ではなくて、もう長くはないであろうあのお宿のお陰で今までどれほどの人が篠山へ行けただろう。
現時点で一番理想的な場所と言えるそのお宿の未来と、宿無き未来の篠山が心配です。
おばちゃん!頑張れ!幸あれ!
篠山大権現よ!力をわけて(やって)くれ!