篠山山頂での一夜が明けました。
昨晩は空気も澄んでいて少しの夜景も(民家が無い)綺麗な星も見れました。
しかし寒いので長々見ることは出来ず、テントの中から外を覗く程度でした。
俺「明日の朝の景色が楽しみだ!今日はもう寝よう」
疲労も激しかったし、後の計画を立てたり、食事を作ったり、あっという間の夜でした。
続いてた不眠も、この日は少し眠れて本当に良かった。
そして翌朝ワクワクしながらテントを開くと!
俺「ええええっ!?」
100%予想すらしていなかった展開にガッカリ。
3メートル先も見えないような霧の中でした。
今日は残念ながら昼前から雨予報ですが、今のところはまだ降ってません。
出来ることなら篠山からの下りに雨は降らないで欲しいです。
この子達も疲れが出てきているし、とにかく寒さが辛そう。
普段、室内犬として生活し、カイは特に1日の大半をベッドの上で過ごします。
その生活と、自然を歩く旅の生活のどちらが幸せかなんて、人間には勝手な予想しか出来ません。
昨晩、体力の回復に大いに役に立ったバター飴。
普段なら絶対に食べないようなものでも、過酷な野宿旅では栄養補給に大活躍します。
篠山山頂にある矢筈の池。
夜に龍馬(坂本じゃない)が水を飲みに来る伝説の池で、災害が起きる前も何らかの変化があるらしい。
ごめん昨日に限って寝てた。
何故、こんな山頂に池があるのか不思議ですよね。
下に大量に湧き出る山水と関係がありそうですが、山の貯水量には本当に驚きます。
そしてこの池は40番札所観自在寺の井戸に通じてるとか。
そりゃ水はすべて通じてるでしょうね。
朝起きてお山さんの顔を見てびっくりしました。
疲れでしょうが、凄く浮腫んでいたのです。
大袈裟抜きにして1.5倍くらい顔が腫れている。
俺(疲れているんだろうなぁ…)
俺(それとも標高が高いから風船になったのかな?)
口には出さなかったけど、宮崎に帰ってからお山さんから貰った俺の写真も、
親父に殴られたみたいな顔に浮腫んでました。
因みに足元に写る二匹はどっちも浮腫んでいない。
3日歩いてここまで来ましたが、疲労が一番出る3日目に高低差約1000mを20㎏を超える荷物を背負って登ったわけです。
流石に疲れました。
とは言え、夢の一つが実現した瞬間でもありました。
今日はこの旅で一番難所を迎え緊張する日です。
昨日は遍路道であり、登山道を登ってきたので危険はありません。
今日は登山道ではなく、旧遍路道と言われる道を探しながら下ります。
ここで一言言わせてもらえば、旧遍路道って何ですか?
じゃあ、新しい遍路道はどこ?
いつからそこが新遍路道になったの?
と俺が何度ボヤいたか分かりませんが、
分かりやすく言うと裏参道と言うことになります。
歩いた経験はないけど、津島側から登る登山道には遍路石は無いと聞いています。
その後、裏参道との合流後に3つあります。
しかし結論から述べると、裏参道にはネット情報を超える沢山の遍路石がありました。
これは紛れもなく遍路道である証で、旧ではありません。
登山道は登山道であり、遍路道は遍路道です。
どっちの道を選ぶかはその人次第なだけです。
只でさえ遍路が立ち寄らなくなってしまった篠山。
来たとしても愛南町から始まり、愛南町へ下りるのが普通となっております。
この津島側へ下りる裏参道が荒れていることや道しるべの不足も予想されるし、
現に愛媛県が出しているであろう「愛媛の記憶」にも「雑草で道を見失うほど荒れている」と記載されております。
今まで何ヶ月もかけて入念に情報を調べてきましたが、圧倒的に情報が不足しておりました。
しかし、とても参考になるサイトのお陰である程度の対策は打てると思い、この裏参道にチャレンジすることにしたのです。
篠山山頂では稀にAUの電波を拾いました。
念のため、母に「今から下山する」とラインで伝えます。
3メートル先も見えませんが、何か勘違いしていると思いながらも訂正はせず。
昨日はしっかりと挨拶出来なかった篠山大権現さんに挨拶を済ませ、
霧の中8時頃下山開始です。
昨日、登ってきたのは左の駐車場側から。
今日下るのは右の津島町側へ。
紛れもなく、番外札所少林寺、満願寺、そして41番札所稲荷社へ続く篠山道でしょう。
右上に昨晩過ごした篠山山頂と篠山神社を見ながら進みます。
只でさえ初めて歩く道は緊張するのに、今日の裏参道は本当に緊張しっぱなしです。
ここから先は腕時計の高度計と方位計、そして地図から読める高度とネットで得た目印になる丁石とのにらめっこです。
早速ですが1丁石。
ここはまだ登山道と裏参道が合流しているから問題ない。
一部、歩きにくいポイントがありますが木々のトンネルはここだけだったかな。
何も変わりません。
歩くんです。
前に進むんです。
ナンデコイツヤマノナカデスケガサカブッテンダ?
犬用で2枚に増えたマットと、トレードマークのゴミと手拭い。
地元では絶対に出来ないことを遍路と四国の人々は受容してくれて感謝します。
篠山の道の多くはこうして「道」と言うより開けた場所を歩きますので、何処も道に見えます。
気を付けてください!
違和感を感じたら立ち止まって、周りをよく見て!
2人なら1人は立ち止まり、1人は偵察に行きと何度それを繰り返しながら慎重に歩いただろう?
山頂からすぐに下りに入り、自然保護の柵を過ぎたらいよいよ、
登山道と裏参道の分岐点でした。
この大きな道しるべには、右本社と書かれ、篠山神社経由の山頂へ。
左寺道と書かれた方は観世音寺への道しるべです。
後日、登った時確認したら寺道の方は「崩落により通行止め」の札があり、通行不可となっておりました。
一応諦めのとてもいい俺がそれなりに探した結果「遭難」もしくは「滑落してケガをする」と判断し諦めました。
とても残念です。
また、登山道と裏参道の分岐点となるこのポイントですが、後に書くことになりますが、
登山道入り口を塞ぐように倒木があり、俺は登山道の存在に全く気が付きませんでした。
これはどういう意味かと言うと、気が付かないまま直進して裏参道側をさ迷うことになりますよと言うことで、
恐らくこの山に慣れていない人の多くは気付かずうっかり裏参道へと進むことになるでしょう。
これは絶対におすすめしませんよ。
裏参道も、もう一つの尾根を歩いてもどっちも大変なことは後で書きます。