「満願寺へ」の続きです。
目次
満願寺を発つ
さて満願寺を出発します。
それにしても予想に反してとても寂しい印象を受けたお寺でした
荒廃していたこのお寺の復興を願った真念もこんな気持ちだったのでしょうか?
真念の気持ちが少しわかるような気がします。
それにしても寒い。
この日は犬が本当に辛そうでした。
もう少しで終わる旅です。
頑張れ!
始めて歩くことになる野井坂遍路道です。
この道標を古いもので見たかった。
先ほどの橋まで戻ってきて、ふと目に入った舟形地蔵さんと石碑。
何か立派な文字が彫られている。
残念ながら割れてしまっているけど、遍路の何かなのでしょうか?
凄く好みの書体です。(読めんが)
橋には久し振りとなる遍路シール。
そう言えば、長いこと見なかったなぁ…。
本当に篠山道を歩く遍路が少なすぎるのでしょうね。
全くシールが無かった。
町を外れた頃に徳右衛門遍路石と、その奥に何か見えます。
行ってみましょう。
祠の中には石神様でしょうか?
その先の旧道にはお地蔵さん。
灘道、中道、篠山道の3ルートから選べた41番札所への遍路道ですが、今のメインルートとなっている灘道の先にある松尾峠越えの歴史は、野井坂遍路道に比べると浅いと聞いています。
だから3ルートの合流地点が満願寺だった訳ですね。
便利な松尾峠越えの道が出来てから、灘道を歩く遍路にとって満願寺は遠回りとなって敬遠されたのでしょう。
今は認知されていなくても、この道も多くの遍路が歩いた道。
あちこちにお地蔵さんがあります。
おへんろ墓
その先には、
とても綺麗に管理された遍路の墓。
「大切にされている」と思いながら前方に目をやると、片手箒を持つ男性の姿。
自宅の前を掃除しているようだけど、きっとこの人がお墓の管理をしていると思い、挨拶をして通り過ぎます。
峠道があるのは知っているけど、どんどんと山に向かって谷間に切り込んでいきます。
すると後ろを歩いていたお山さんが先ほどの男性と話しながら「こっちに来て」と言う。
男性から飲み物のお接待と、これから先のアドバイス。
「そっちに行かない方がいいよ」と。
困る親切
こんな時迷います。
俺は地図を見て道の選択をしております。
この方の話は置いといて、書いて見たかったことをこの際書いてみますと、
遍路をしていると道を教えて下さる地元の方に出会うことは多いです。
その殆んどは親切心からなのでしょう。
しかし、その殆んどは近道であって遍路道ではありません。
俺は何度も書いてますが、遍路道が歩きたいのであって、近道がしたいわけではありません。
たまたま向かう道中に金に目がくらんだお寺があるだけなのです。
空海の足跡を追っているつもりは全くありませんが、古の遍路の足跡を追いかけ続けて歩いています。
だから多くの人のように87個のお寺が目的ではなく、その道中が目的なのです。
そして現代のアスファルトの便利な近道ではなく、出来たら土の道を探し、丁石や道標を見たいのです。
地元の人が教えてくれる親切に、不慣れな遍路さんの命と言える遍路シールが途切れることは頻繁にあります。
だからいつも「う~ん、そうなんだけど…」と凄く困ってしまう。
ただ単に「遍路道を探して歩いていますので」と言えばいいのですが…。
因みに、何故俺が87の寺と書いたのか、人によっては86の時代もこの前までありました。と言う話です。
後ろを歩くお山さんも今日はお遍路さんスタイルではありません。
寒すぎるので防寒スタイルです。
しかし、この人は本当に四国病なのでダウンの中には白衣を着て歩いてます。
それと、何故この人は四国を歩いてるときはこんなに笑っているのだろう。
本当に気持ち悪い。
さて、そんなこんなで男性から「多分歩けないかも」と言われた遍路道の目の前まで特攻してきました。
どうなることやら。